日本、苦しみながらも6戦全勝! 〜バレーボール世界最終予選(女子)〜

(写真:選手に指示を送る柳本監督)
日本 3−2 タイ
(28−30、25−14、25−27、15−11)
ここまで1勝4敗と大きく負け越しているタイ。下馬評では5戦全勝の日本がストレートで圧勝するのではないかと見られていた。ところが、第1セットから大番狂わせが生じた。

序盤、主導権を握ったのは日本だった。ところが、8−5から大黒柱のMBティンカオ・プルームジットのサーブにレシーブが乱されて5連続ポイントを奪われ、逆転を許した。そこから一進一退の攻防が続き、勝負はタイブレークへと持ち込まれた。日本は途中出場したベテランのMB多治見麻子の速攻やWS木村沙織のライトからのクロススパイクでくらいつくも、最後はWS高橋みゆきのスパイクがラインを割り、日本は第1セットを落とした。
本来のバレーを取り戻した第2セット、日本はセンター線が機能したことで多彩な攻撃を展開。最後はWS木村のスパイクが連続で決まり、11点差という大量リードでこのセットを奪い返した。
ようやくエンジンがかかり、実力の差を見せつけた日本。このまま試合は日本のペースで進むかと思われた。ところが、第3セット、再び接戦となった。WS栗原恵のスパイクでセットカウントを迎えた日本だったが、すぐに追いつかれてタイブレークにもちこまれた。互いに粘りを見せるも、最後はキャプテンのWSアピヤポン・ウィラワンが強烈なスパイクを放ち、タイがこのセットを取る。日本は今大会初めて2セットを奪われた。

(写真:ブロックについて話し合うMB荒木<左>とWS木村)
15点先取で行なわれた第5セット、互いに持ち味の粘りのバレーを展開。しかし、頭一つ抜けた日本が最後までリードを守り切り、最後はMB荒木絵里香の移動攻撃がきれいに決まり、日本が15−11で勝利した。
内容は決していいとはいえなかったものの、勝利につなげたことは大きい。6戦全勝で迎える明日の最終戦、日本は今大会最強のセルビアと対戦する。
「勝って有終の美を飾りたい」――会場に詰め掛けたファンの前でそう誓った柳本晶一監督。高さとスピードでは勝る相手に、どう戦うのか。明日は柳本ジャパンの真価が問われる一戦となりそうだ。
(写真・斎藤寿子)
※当HP内「ノンフィクション・シアター・傑作選」のコーナーでは全日本女子キャプテン・竹下佳江選手のインタビュー記事を掲載しています。こちらもあわせてお楽しみください。
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