24日、サッカー日本代表はキリンカップサッカー2008でコートジボワール代表と豊田スタジアムで対戦した。日本は前半21分、FW玉田圭司のゴールで先制すると、そのまま1−0で勝利した。

 玉田のゴールで日本が競り勝つ (日本・豊田)
日本代表 1−0 コートジボワール代表
【得点】
[日] 玉田圭司(21分)
 6月2日から始まるW杯3次予選4連戦を目前に控えた岡田JAPANにとって、収穫と課題の両面がみえたゲームだった。
 日本は、0−1で敗れた3月のW杯予選のバーレーン戦から、システムを4−4−2に戻し、2トップには大久保嘉人と玉田圭司が入った。注目の海外組ではMF松井大輔、MF長谷部誠が先発。北京五輪世代のDF長友佑都が代表デビューを果たした。

 序盤から日本は素早い寄せでボールを奪い、両サイドを基点にコートジボワールを崩しにかかる。前半6分、DF田中マルクス闘莉王が前線まで持ち込むと、ダイレクトプレーから長友が左クロス。これにFW大久保が合わせるもゴール右に外れた。16分にはMF遠藤保仁のコーナーキックから再び、大久保がつめる。今度はゴールライン手前でDFに防がれ、ゴールにはならなかったが、左右からの揺さぶりにコートジボワールは徐々に形を崩していく。

 こうなると得点が生まれるのに、時間はかからなかった。前半21分、中盤でボールを持ったMF今野泰幸がハーフウェイライン付近から右サイドを駆け上がった長谷部にスルーパス。ニアサイドに走りこんだ大久保がDFを引き連れてスペースを作ると、長谷部のクロスにファーサイドで待ち構えていたFW玉田がボレーシュートを放つ。ボールはGKの手をはじいてゴールネットを揺らし、日本が待望の先制点をあげた。

 その後も、日本は豊富な運動量と、連動した守りでコートジボワールを圧倒する。
 特に左サイドの長友はデビュー戦とは思えない動きをみせた。積極的な攻め上がりで攻撃にダイナミズムを生み出していただけでなく、守備でも対面した相手右サイドにまったく仕事をさせなかった。U−23日本代表候補にも選出されている長友は、今回、DF安田理大のケガによって代表デビューを果たした。その予想以上の活躍は代表にとって大きな収穫と言っていい。

 しかし、試合終了後、岡田監督が「前半はよかったが、後半は足が止まって攻め込まれる時間が多くなってしまった」と語ったように、徐々に日本の足が止まり始める。前半終了間際は完全にコートジボワールのペース。ロスタイムに怒涛の攻撃を受けたが、守備陣が踏ん張り、1−0で前半を折り返した。
「今日の試合も相手の方が内容的には上回っていただけに、その辺りをもう少し修正していかないといけない」とゴールをあげた玉田は課題を口にした。1点こそあげたものの、日本は主導権を握れなかった。

 後半に入っても悪い流れは変わらない。さらに攻勢を強めてきたコートジボワールに対し、日本は自陣に押し込まれる時間が長くなった。流れを変えたい日本は後半29分、玉田、松井を下げて、FW矢野貴章、そして19歳のMF香川真司を投入。再びサイドからチャンスを演出していく。終盤、再びゴールを脅かされた日本だが、この日先発のGK楢崎正剛を中心に日本が1点を守りきった。

 日本は27日に、キリンカップ第2戦でパラグアイと対戦する。セルティックでリーグ3連覇に貢献したMF中村俊輔が帰国し、25日から代表に合流する予定だ。黄金の左足をひさびさに日本で披露する機会がやってくるのか注目が集まる。

<日本代表出場メンバー>

GK
楢崎正剛
DF
中澤佑二
田中マルクス闘莉王
駒野友一
長友佑都
MF
遠藤保仁
松井大輔
⇒香川真司(74分)
長谷部誠
FW
玉田圭司
⇒矢野貴章(74分)
大久保嘉人