国際オリンピック委員会(IOC)は4日(現地時間)、アテネで理事会を開き、2016年の夏季五輪開催地の第1次選考を行った。立候補を表明していた東京は選考を通過し、正式な候補都市として認められた。その他、シカゴ(米国)、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)が立候補地として選ばれた。東京を含めた4都市は、今後、招致活動を展開し、09年10月のIOC総会で開催地が決定される。
 今回の1次選考に臨んだのは東京、シカゴ(米国)、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)、ドーハ(カタール)、プラハ(チェコ)、バクー(アゼルバイジャン)の7都市。選考は書類審査によって実施され、東京はメインスタジアムから半径8キロ以内にほとんどの競技施設を集める「世界一コンパクトな五輪」が全候補地中、もっとも高い評価を得た。

 東京にとってプラスなのは、同じアジアのドーハが落選したこと。ドーハは猛暑になる夏を避け、10月を開催時期に設定したため、他のスポーツイベントと重複することが問題視された。ドーハが残れば“中東での五輪初開催”との大義名分が説得力を持っていただけに、東京には苦しい招致レースとなることは必至だった。少なくともアジア票を奪い合う展開はさけられ、シカゴ、マドリードらの強敵と互角に渡り合える状況は整ったと言えそうだ。