12日に行われた競泳女子100メートル背泳ぎ決勝で、中村礼子(東京SC)、伊藤華英(セントラルスポーツ)が出場した。同種目で前回大会4位の中村はレース後半まで激しい3位争いを繰り広げたが、59秒72で6位だった。伊藤は1分0秒18で8位だった。
 レースは世界記録保持者のナタリー・コーグリン(米国)が自らの持つタイムを上回るペースで前半からレースを引っ張った。中村は3番手につけ、後半勝負にかける。2番手以降の選手がほぼ横一線に並ぶ展開だったが、最後は伸びず、中村は6番目にゴールした。「50mまではすごくよかった。最後の最後で悔しい。この悔しさを200で晴らしたい」。中村は2大会連続でのメダルへ期待がかかる200m背泳ぎでの雪辱を誓った。なお、金メダルはコーグリンが獲得。ターン後は、やや失速したものの58秒96で連覇を達成した。

<フェルプスは世界新で3冠達成>

 男子200メートル自由形では、マイケル・フェルプス(米国)が1分42秒96の世界新記録で制し、400メートル個人メドレー、400メートルリレー決勝に続く、今大会3つ目の金メダルを達成した。ワールドレコードを終始、上回るペースで圧倒的な強さをみせた。日本勢では初めて同種目決勝にコマを進めた奥村幸大(イトマンSS)は1分47秒14で7位。前日にマークした日本記録を上回るペースで飛ばしたが、更新はならなかった。しかし、「頑張れば五輪の決勝に出れる。日本で自由形を頑張っている選手たちのさきがけになって、これからもいい泳ぎをみせたい」とレース後は晴れやかな表情だった。

 男子100メートル背泳ぎ決勝では宮下純一(ホリプロ)が出場。前日に自らが出した日本記録には及ばず、53秒99で8位だった。女子100メートル平泳ぎ決勝に登場した北川麻美(スウィン大宮)も1分8秒43で8位だった。

<男子200バタ・松田、2位で決勝進出>

 男子200メートルバタフライ準決勝では1組に登場した松田丈志(ミズノ)が1位で決勝進出を果たした。1分54秒2のタイムは日本新記録で4冠目を目指すフェルプスに次いで全体の2位に入る好タイムだった。「とにかく自分の自己ベストを出せば決勝には残れると思って、それだけに集中していた」。調子は「いい感じ」と語る24歳は13日の決勝に向けて手ごたえを感じていた。

 女子200メートル個人メドレー準決勝では、100メートル平泳ぎ決勝に出場した北川が前日に自らが打ち立てた日本記録をさらに上回る2分12秒18で全体の8位に入った。他の選手と同タイムで並んだため、決勝進出をかけたスイムオフが行われ、1位になってファイナルへコマを進めた。タイムは3たび日本記録を塗り替える2分12秒2だった。

<男子200平・北島、順当に準決勝へ>

 夜に行われた男子200メートル平泳ぎ予選では、100メートルとの2冠獲得の期待がかかる北島康介(日本コカ・コーラ)が7組目に登場。大きなストロークで落ち着いた泳ぎを見せた北島は、2分9秒89でこの組4位、全体の6位で13日に行われる準決勝進出を決めた。

 北島は「まあまあだと思う。レベルがすごく高かったのでヒヤッとしましたけど、自分らしく良い泳ぎがしたいなと。(明日の準決勝は)午前中なのでタイムはどうなるかわからないが、余力を持って泳いだつもりなので、だんだん上げていければいいなと思う」と語り、「(100メートルで優勝して)気持ちはすごくラクになったので、200メートルも自信を持って挑みたい」と2冠への意欲を見せた。

 北島と同組で泳いだ末永雄太(チームアリーナ)2分11秒30で全体の17位となり、準決勝進出はならなかった。

 女子200メートルバタフライ準決勝では、この種目のアテネ五輪銅メダリスト・中西悠子が全体の3番目のタイムで決勝進出を決めた。

 準決勝で中西と同じ組で泳いだ高校3年生の星奈津美(スウィン大教SS)も自らが持つ日本高校新記録を更新する2分7秒04の好タイムを出し、全体の4位で決勝進出を決めた。

 男子800メートルリレー予選に出場した日本(奥村幸大、内田翔、物延靖記、松本尚人)は7分9秒12の日本新記録を樹立。 全体の7番目のタイムで決勝進出を果たした。
 奥村「みんなの力を信じて頑張ってきたので、すごく嬉しい」、内田「やるっきゃないと思ったので、この泳ぎができてよかった」、物延「(内田)翔が頑張ってくれたので良い位置で松本さんにつなげたかった」、松本「ラストに思ったとおりの泳ぎができなかったので、これで落ちたら悔いが残る、と。もう一本泳げるチャンスをもらったので修正して決勝ではもっと上を目指して頑張る」と、それぞれ振り返った。