「我々は勝つためにここにいる。手ぶらで終わりたくはない。必ず勝ちたい」
 準決勝ミラン戦後、浦和のホルガー・オジェック監督はそう語った。16日、クラブW杯3位決定戦でアジア代表浦和レッズ(日本)はアフリカ代表エトワール・サヘル(チュニジア)と戦う。勝って有終の美を飾りたいところだ。
 ただ、選手の疲労はピークに達している。今大会では中2日で3試合というハードスケジュール。それはJリーグ、国内カップ戦、AFCチャンピオンズリーグなどを戦い抜き、疲れ切った選手の体に鞭を打つようなものだ。ミラン戦で闘莉王が左太ももを傷めて途中退場したことからも、フィジカルコンディションがいかに低下しているかを読み取れる。

 加えて、日程的にエトワールより1日休養が少ない。オジェック監督は、この点を問題視して、ミラン戦後に次のように語っている。
「エトワールは1日休みが多いため、我々は不利な状態だ。このようなトーナメントでは、何かしらの影響があるだろう。それに、我々は長いシーズンの終盤であることを忘れてはならない。いろいろなものがたまっている。もう一度、集中力を日曜日に向けて高めていかなければならない」

 浦和を待ち受けるのはエトワールの厚い壁だ。準決勝ボカ・ジュニアーズ戦では失点を喫したものの、パチューカとの準々決勝では圧倒的にボールを支配されながらも零封した。1トップのFWシェルミティを前線に残し、中盤とディフェンスラインの2層でしっかりとブロックをつくり、組織的に守る。

 FWワシントンとFW永井の2トップを中心に、その堅い守備を打ち破らなければならない。特に注目したいのは、今季限りの退団が決まっているFWワシントンだ。この3位決定戦が、浦和でのラストゲームとなるだろう。ミラン戦では沈黙をよぎなくされたが、最後の1試合、持ち味の懐の深いプレーでネットを揺らしてほしい。

 また、全治1ヵ月の故障を負った闘莉王は欠場が確実だ。大黒柱不在のディフェンスラインで、身体能力の高さを生かしたエトワールの攻撃を封じる必要がある。スピードのあるシェルミティには、快足のDF坪井が厳しくマークしたい。

 この2試合、浦和は集中力を高く保っている。エトワールは平均年齢23歳という若いチーム。加えてアフリカ勢ということで、集中力を失う時間帯は出てくるだろう。最後まで意識を高く持ち、相手の隙を逃さず突けば、勝機はある。

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