元日恒例の第53回全日本実業団対抗駅伝競走(ニューイヤー駅伝)が1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間100キロのコースに37チームが出場して行われ、富士通が4時間51分55秒で9年ぶり2度目の優勝を果たした。
 2位には日清食品、3位には旭化成が入った。連覇を狙ったコニカミノルタは4位、優勝候補の一角にあげられていた中国電力は7位に終わった。
 強風の中、スローペースでスタートした今レースは、区間ごとにトップが入れ替わるという史上稀に見る大混戦。最終7区では富士通、日清食品、旭化成が三つ巴で優勝を争った。ゴールの手前まで3人の熾烈な争いが繰り広げられたが、最後のスピード勝負で富士通のアンカー・松下龍治が競り勝ち、優勝を飾った。

 9年前、20世紀最後の2000年に自ら初優勝のゴールテープを切った福嶋正監督は次のように述べた。
「こういう展開になるという可能性は考えていたが、本当にアンカー勝負になるとは思わなかった。松下には“とにかく後悔するようなレースだけはするな”と言った。あとはやってきたことを信じて、本人が後悔しないレースをしてくれればと思っていた。それまでもチームが強気のレースをしてくれていることは感じていたし、最後は松下が自分の力を発揮してくれたと思う」

 また、チーム最年長で初めて最長区間の4区を走った藤田敦のコメントは次の通り。
「自分のところで勢いをつけたいと思ってスタートした。トップでたすきを渡したかったが、最後は負けて2位になってしまった。でも、後半の選手が本当に頑張ってくれた。今回は言葉がないほど嬉しい。僕の苦労はそんなにないと思う。他のメンバーの頑張りに感謝したい」

 21世紀に入ってからはコニカミノルタと中国電力の2強時代が続いていたニューイヤー駅伝だが、富士通の優勝で新たな時代の幕開けとなった。