日本相撲協会は大麻取締法違反容疑で逮捕された十両・若麒麟に対し、解雇処分を下した。また師匠の尾車親方(元大関・琴風)は、「委員」から「年寄」へ2階級降格が決まった。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)ら役員への処分はなかった。大麻を巡る問題での解雇は昨年8月の若ノ鵬、同9月の露鵬と白露山に続き、4人目。
 逮捕された若麒麟については、当初、昨年の大麻騒動から再発防止に努めている最中の不祥事である点を鑑み、最も重い除名処分を求める声が強かった。だが、除名処分には役員、評議員、横綱、大関の4分の3の賛成が必要で、これまで前例がない。同容疑で逮捕された若ノ鵬が解雇だったこと、25歳とまだ若く第二の人生もあることなどが考慮され、最終的には解雇処分となった。

 現行の規定では、解雇の場合でも協会は退職金にあたる「養老金」を支払うことになっており、若麒麟が求めれば約530万円が支給される。除名処分の場合は養老金は支払われない。協会は同様に解雇処分を下した若ノ鵬に対しても約580万円を支給しており、武蔵川理事長は規定の見直しを検討すると明らかにした。