日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ2009は2日、高知球場で第4戦が行われ、四国・九州アイランドリーグチャンピオンの高知ファイティングドッグスはBCリーグチャンピオンの群馬ダイヤモンドペガサスに逆転負けし、対戦成績が2勝2敗のタイになった。高知は初回、無死1、3塁のチャンスから併殺の間に1点を先行したものの、先発・伊代野貴照が3回に逆転2ランを許す。反撃したい高知だったが、初回途中からリリーフした2番手のキム・ジョンファンを最後までとらえきれず、1−2で接戦を落とした。
 伊代野、2失点完投も報われず(群馬2勝2敗、高知、387人)
群馬ダイヤモンドペガサス 2 = 002000000
高知ファイティングドッグス 1 = 100000000
勝利投手 キム(1勝0敗)
敗戦投手 伊代野(1勝1敗)
本塁打   (群)山田1号2ラン

 雨で1日順延となった第4戦、群馬の思い切った投手交代の前に、2連勝から2連敗。アイランドリーグ勢、3年連続の日本一へ黄色信号がともった。
 高知の先発は第2戦で完投勝利をおさめた伊代野貴照。一方、群馬はこのシリーズ初登板の鈴木康崇を先発に立てた。

 高知は初回、その立ち上がりをつく。先頭のYAMASHINが四球を選ぶと、2番・西本泰承はヒットエンドランを敢行。これが鮮やかに決まって、1、3塁とチャンスが拡大した。続く3番・古卿大知はセカンドゴロでダブルプレーに倒れたものの、その間に3塁走者が生還し、1点を先行する。なおも攻撃は続き、カラバイヨがヒットで出塁。中村龍央は左中間を破る2塁打を放つ。センターがなんとか回り込んで、1塁走者のカラバイヨは3塁でストップした。

 ここで群馬ベンチは早くも動く。鈴木康をあきらめ、サイドスローのキム・ジョンファンを投入。キムは6番・梶田宙を浅いライトフライに打ち取り、ピンチを切り抜けた。追加点のほしい高知は2回も死球やヒットで走者を出したが、牽制アウトや盗塁死で好機を逸し、流れをつかめない。

 そんな中、初回、2回と無難な立ち上がりを見せていた伊代野が一発に泣く。きっかけは守備の乱れからだった。1死後、9番・肥田貢次が三塁手のエラーで出塁し、打順は1番・山田憲。カウント1−0から高めの球を叩くと、打球は風にも乗ってレフトスタンドに飛び込んだ。群馬が一振りで2−1と逆転に成功する。

 高知は4回、5回といずれもヒットで無死の走者を出しながら、後が続かず無得点。回が進むにつれ、サイドから繰り出される韓国人右腕のボールに翻弄され始める。対する高知の伊代野も毎回のように走者を背負いながら、要所を締め、試合はロースコアの接戦となった。

 結局、伊代野は最終回もスコアボードにゼロを灯し、1点ビハインドのまま2試合連続の完投。味方の最終回の反撃にすべてを託す。群馬もキムがそのまま9回裏のマウンドへ。1死から藤嶋紀之にヒットを許したものの、飯田一弥をカウント2−2から低めのボールで見逃し三振に打ち取る。最後は流大輔をレフトフライに仕留め、ゲームセット。キムは初回途中からのロングリリーフながら、高知打線を散発の5安打に抑え、徳俵に足が乗っていたチームを土俵中央まで押し戻した。

 2連勝から2連敗という流れは、昨年の香川−富山のチャンピオンシップと全く同じ。ただ、昨年は香川が最終第5戦を制し、2年連続の独立リーグチャンピオンに輝いた。果たして群馬が大逆転でBCリーグに初めてチャンピオンフラッグを持ち帰ることはできるのか。それとも高知が昨年と同じパターンで笑うのか。雨天順延の影響で、高知は吉川岳、群馬は堤雅貴と、第3戦に投げたエースを中2日ながらつぎ込める展開になった。泣いても笑っても残りは1試合。総力戦で雌雄を決するラストゲームは3日12時プレーボール予定だ。

<福岡・森山監督が楽天投手コーチに>

 福岡レッドワーブラーズの森山良二監督が来季より東北楽天の1軍投手コーチに就任することが決まった。ブラウン新体制の下、ブルペン担当として佐藤義則コーチをサポートする。アイランドリーグの指導者が直接、NPBのコーチになるのは、元愛媛の高山郁夫コーチ(現ソフトバンク投手コーチ)、元香川の森博幸コーチ(現西武打撃コーチ)、元香川の勝呂壽統コーチ(現巨人内野守備走塁コーチ)に続いて4人目。福岡は来季のリーグ戦に参戦しないことが決まっており、就任に支障はない。岩隈久志や田中将大ら球界を代表する投手を預かる立場になった森山新コーチは「アイランドリーグとはレベルが違うので、少し切り替えが必要かもしれないが、基本に福岡でやってきたことと変わらない。佐藤義則コーチとしっかりコミュニケーションをとって、チームに貢献したい」と抱負を語った。早速、3日から仙台で始まる秋季練習に合流し、指導を開始する。