日本独立リーグ・グランドチャンピオンシップ2009は3日、高知球場で最終第5戦が行われ、四国・九州アイランドリーグチャンピオンの高知ファイティングドッグスはBCリーグチャンピオンの群馬ダイヤモンドペガサスを2−1で下し、対戦成績を3勝2敗として初の日本一に輝いた。高知は初回、古卿大知のタイムリーで先制。直後に同点に追いつかれたものの、5回に中村龍央の2塁打で1点を勝ち越す。投げては先発の野原慎二郎が3回以降、群馬打線を無安打に抑える完璧な内容で、完投勝利をおさめた。これでアイランドリーグ勢はチャンピオンシップがスタートした07年以降、昨年、一昨年の香川オリーブガイナーズに続いて3連覇を果たした。
 野原、2安打完投でMVP!(高知3勝2敗、高知、772人)
群馬ダイヤモンドペガサス 1 = 010000000
高知ファイティングドッグス 2 = 10001000×
勝利投手 野原(1勝0敗)
敗戦投手 小暮(0勝1敗)
本塁打   (群)井野口1号ソロ

 勝ったほうが日本一に輝く最終戦、高知は昨季リーグ15勝をあげた野原慎二郎、群馬は右腕の小暮尚史を先発に立てた。
 先手をとったのは昨日に続き、高知だった。初回、2死無走者からこの日、3番に打順をあげた中村龍央が左中間を破る2塁打で出塁する。カラバイヨが歩いて、2死1、2塁。ここで中村と入れ替わりで5番に回った古卿の当たりはショートへ。これを群馬の遊撃手がファンブルする間に(記録はヒット)、2塁走者が生還し、1点を先行した。

 しかし、群馬も譲らない。直後の2回、先頭の4番・井野口祐介がカウント0−2からの3球目を叩くと、打球は左中間スタンドへ。一振りで1−1の同点に追いついた。なおも3回、9番・肥田貢次が先頭で四球を選ぶも、続く山田憲が三振。スタートを切っていた肥田も二塁でアウトとなり、チャンスを広げられない。

 一方、小暮から毎回走者を出しながら、ホームが遠かった高知は、5回、1死1塁から中村が3塁線への強烈な打球を放つ。これを群馬の3塁手が弾き(記録は二塁打)、ボールが転々とする間に、1塁走者が一気に生還した。これで中村はこの日、2本目の2塁打。打順を3番にあげたベンチの起用も当たり、1点を勝ち越した。なおも高知は四球2つで1死満塁と追加点の好機が続いたが、代わった群馬2番手の清水貴之が踏みとどまり、最小失点で切り抜けた。群馬はその後のリリーフ陣も相手に追加点を与えず、1点ビハインドの状態を保って打線の爆発を待つ。

 たが、この日の野原の投球は尻上がりによくなった。ストライクが先行し始めた右腕に群馬打線から快音が聞かれなくなる。4回以降はひとりも走者が出せず、試合はついに最終回。先頭の小田智康、山田憲が倒れ、2死走者なし。最後の打者・青木清隆も一ゴロにおわり、高知の日本一が決定した。

 野原は後期途中にひじ痛で戦線を離脱。グランドチャンピオンシップ前に、ようやく復帰したばかりだった。その間、左腕の吉川岳が急成長。リーグ優勝に大きく貢献し、チームの大黒柱になっていた。一度はエースの座を奪われた男が最後の大一番でみせた快投。前期はケガ人続出でリーグ5位に沈んだチームが、最後にすべてのピースが埋まり、栄冠を手中にした。

<ソフトバンク・西山(元愛媛)、ファームスタッフへ>

 福岡ソフトバンクから戦力外通告を受け、現役引退の意向を示していた西山道隆投手(元愛媛)が、ソフトバンクのファームスタッフとして採用されることが決まった。今後は裏方としてチームを支える立場となる。

<香川・松居が退団 長崎は6選手退団>

 香川オリーブガイナーズは左腕の松居伊貴投手の退団を発表した。本人の希望によるもの。松居は先発、中継ぎとフル回転し、6勝3敗2S、防御率2.58(リーグ8位)の成績を残し、アイランドリーグ選抜チームのメンバーとして、10月のフェニックス・リーグにも参加していた。
 また長崎セインツは6選手の退団を発表した。吉川公史郎捕手と保延佳亨内野手は本人の申し出によるもの。残りの4選手は球団が来季の契約を更新しない旨を通告した。
 退団選手は以下の通り。

長崎セインツ
<投手>
松田有二(2年目) 19試合 2勝1敗 防御率6.40
本山真也(2年目) 15試合 0勝2敗 防御率5.58
<捕手>
吉川公史郎(1年目) 74試合 打率.250、20打点
<内野手>
保延佳亨(2年目) 54試合 打率.185、2打点
比知屋孔明(1年目) 5試合 打率.000
<外野手>
慧陽(中川慧陽、2年目) 57試合 打率.224、10打点