関西独立リーグに来季から大阪を本拠地とする新球団「コリア・タートルシップ」が参入することが決定した。球団代表は金珍希(キム・ジンヒ)氏が就任し、同氏が代表を務める韓国の社会人チームを主体に同国でトライアウトを実施し、韓国人と在日コリアンによる“韓流球団”となる予定。首脳陣も韓国プロ野球経験者で固める見込みだ。タートルシップとは李氏朝鮮時代に存在したとされる軍艦「亀甲船」の意。リーグでは大阪ゴールドビリケーンズが来春開幕予定のジャパン・フューチャーリーグへ移籍したことから3球団に減少し、運営が危ぶまれていた。米国からも球団創設の動きがあるといい、来季は一気に5球団に増える可能性もある。
 経営難に苦しむリーグがとったひとつの打開策は“国際化”だった。先行の四国・九州アイランドリーグ、BCリーグとは異なり、都市部の独立リーグとして地域密着の運営が容易ではない中、国際化はその強みを生かせる方法だ。大阪府には約14万人の在日コリアンが生活しており、受け入れの素地は充分ある。経営面でも、韓国関連のスポンサー獲得が期待できる点がメリットだ。

 韓国野球は昨年の北京五輪で金メダル、今年のWBCで準優勝に輝くなど、トップ選手のレベルは高い。その一方で高校野球、社会人野球のチーム数が少なく、裾野が狭いのが実情だ。現に日本の高校、大学や他の独立リーグでは韓国人選手を受け入れているチームもあり、彼らの受け皿となりつつある。アジアを見渡すと、台湾のプロ野球が6球団から4球団に縮小し、中国でも今季は試合数が大幅に削減された。国内で独立リーグの球団が増え、選手確保が課題となる中、今後もアジアを中心した国際化の流れは加速していくはずだ。