再開催となったハンドボールの北京五輪アジア予選(女子:1月29日、男子:1月30日、東京・国立代々木競技場)を前に、日本ハンドボールは28日、男女日本代表各15人を発表した。女子は昨年12月の世界選手権代表メンバーが主体。男子は昨年9月のアジア予選(愛知県豊田市)メンバーに加え37歳のベテラン岩本真典(大崎電気)、ひざの怪我から復帰した富田恭介(大同特殊鋼)らが名を連ねた。
(写真:会見に出席した男子代表の中川主将(左)と宮崎選手)
 会見を行った酒巻清治監督は「このような素晴らしい環境を用意してもらったことに感謝している。今の戦力でベストな戦いができることは約束できる」などと語り、岩本や35歳の四方篤(ホンダ)といったベテラン勢が新たに代表メンバー入りしたことについて、「ベテランだからというわけではなく、ベストなメンバーで戦うために選んだ」と説明した。
 さらに韓国戦のポイントについては「日が浅いので100%のチームというわけではないが、これまで掲げてきた戦術を60分間、選手たちが一丸となって戦えるかがキーポイントになるのではないか」と語った。

 男子代表の主将・中川善雄(大崎電気)は、「試合が目前に迫ってモチベーションが上がっている。みんな声も出ていて雰囲気も非常に良い。ハンドボール界が注目してもらえることは素直に嬉しい。ただ選手としてはプレーに集中し、いかにベストなパフォーマンスを出せるかということを考えている」と語り、攻撃の要となるエースの宮崎大輔(同)は「(代々木第一体育館で公式練習を行い)こんなに広いところでやれるのかとワクワクしている。9月よりも自分の調子も良いし、チームの状態も上がってきている。当日は(観客席が)満員になると思うが、来てくれた人たちにハンドボールの面白さを伝えたい。今までやってきたことをすべて出したい」と意気込んだ。

(写真:女子のベルト・バウワー監督)
 女子のベルト・バウワー監督は「12月の世界選手権のメンバーを中心に、経験を積んでいる選手を選んだ」と選考のポイントを語り、世界的にも強豪の韓国について「韓国と日本は力の差は否めないものがある」としながらも「当然、(勝つために)チャレンジしていく。韓国は個々の能力が高く、優れた選手が多いが、戦術という骨組はそれほど優れていない。我々が持っている戦術を持って組織的に戦えば、力の差を縮めていくことができる」と抱負を語った。

 日本の韓国との過去の対戦成績は、男子が12勝24敗2分け、女子が4勝35敗1分け。近年では、男子は2つの引き分けを挟んで15連敗。女子は昨年8月にあった当初の予選で1点差で勝利している。
 男女とも韓国に勝利すれば、男子が88年ソウル五輪以来5度目、女子は76年モントリオール五輪以来2度目の五輪出場となる。

日本代表<男子>
※総監督:蒲生晴明、監督:酒巻清治
四方篤(Honda)
坪根敏弘(湧永製薬)
末松誠(大同特殊鋼)
富田恭介(大同特殊鋼)
武田亨(大同特殊鋼)
門山哲也(トヨタ車体)
豊田賢治(大崎電気)
中川善雄(大崎電気)
永島英明(大崎電気)
岩本真典(大崎電気)
宮崎大輔(大崎電気)
下川真良(湧永製薬)
古家雅之(湧永製薬)
山口修(湧永製薬)
東長濱秀作(湧永製薬)

日本代表<女子>
※総監督:西窪勝広、監督:ベルト・バウワー

飛田季美子(ソニーセミコンダクタ九州)
勝田祥子(オムロン)
水野恵子(オムロン)
佐久川ひとみ(オムロン)
坂元智子(オムロン)
平井(田中)美音子(ソニーセミコンダクタ九州)
長野かづさ(ソニーセミコンダクタ九州)
植垣暁恵(広島メイプルレッズ)  
早船愛子(スペイン・ゴヤ)
金城晶子(スペイン・マラガ)
谷口尚代(ドイツ・リーザ)      
東濱裕子(オムロン)
小松真理子(スペイン・カストロ)
藤井紫緒(オムロン)
青戸あかね(広島メイプルレッズ)