9月にニュージーランドで開催されるラグビーW杯に向けた日本代表スコッド発表会見が28日、日本ラグビーフットボール協会で行われ、堀江翔太(三洋電機)、菊谷崇(トヨタ自動車)ら41名が発表された。今後は、4月のアジア5カ国対抗、7月のパシフィック・ネーションズカップを経て、8月22日に最終登録メンバー30名を決定する。
(写真:W杯に向けた日本代表スコッドを発表するジョン・カーワンHC)
 2011年W杯に向けた日本代表がついに始動する。前日、日本選手権決勝でサントリーが優勝を果たし、今シーズンを終えたばかり日本ラグビー界。だが、もう9月への戦いはスタートしている。会見でジョン・カーワンヘッドコーチは「(W杯)シーズンが始まるということでエキサイトした気分」と口にし、W杯の目標を「最低2勝。ジャパンスタイルのラグビーを見せる」と力強く語った。

 カーワンHCは今回の41人の選考基準を「バックアップの重要性を重点に置いた。経験豊富なメンバーを刺激するような若い選手を選んだ」と話した。「専門的なポジションとして3人のスクラムハーフ、3人のフッカーを(最終メンバーに)入れる」と語ったスクラムハーフとフッカーはそれぞれ4人ずつ選出。また、今季トップリーグ新人王の日和佐篤(サントリー)、プレーオフMVPの山田章仁(三洋電機)など代表キャップ未経験の若手有望株が選ばれた。指揮官は日和佐について「スクラムハーフ全体の底上げに期待している。日本の目指すスタイルに合っている」と評価し、一方の山田に対しては「他の選手とは違う何かを持っている。トラディショナルではない。非常に楽しみな選手」と大きな期待を寄せた。

 一方、今回は前日の日本選手権決勝で2トライをあげた長友泰憲(サントリー)、五郎丸歩(ヤマハ発動機ジュビロ)らが漏れた。これについては「難しい選考だった」と苦渋の決断だったことを明かし、「まだ扉が閉じたわけではない」と今後の召集にも含みを持たせた。

 日本代表は今後、4月の宮崎合宿を皮切りに、4月30日からアジア五カ国対抗に臨む。そこでスコッドを見直し、6月の国内合宿を経て、7月にパシフィック・ネーションズカップで3試合を行う。7月下旬からはイタリア遠征、8月21日にアメリカ代表との壮行試合を行い、翌22日にW杯を戦う30人の精鋭が決定する。

 7大会連続のW杯に挑む日本代表はフランス、ニュージーランド、トンガ、カナダと予選プールを争うことになる。初戦で激突するフランス(IRBランキング4位)、2戦目のニュージーランド(同1位)は今大会の優勝候補国。対戦成績でもフランスに8戦、ニュージーランドに3戦して一度も勝っていない。IRBランク13位の日本にとっては、トンガ(同17位)、カナダ(同14位)に2勝を収めることが現実的な目標となるだろう。そのためにはカーワンHCが語るように「序盤の2試合でいい試合をする」ことが大切だ。「ジャパンのシステムを理解し、対戦相手に合った選手を選んでいく」とするJKジャパン。サバイバルレースを代表のさらなるレベルアップにつなげたい。
(写真:「(現在13位の)IRBランキングを上げたい」と語る太田治GM<右>とカーワンHC)