29日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の第8戦で世界ランキング18位の日本は、同4位で北京五輪で金メダルに輝いた米国と対戦。第1セットは大接戦を演じ、善戦した日本だったが、第2セット以降は地力の差を見せつけられてストレート負けを喫した。

日本 0−3 米国
(37−39、25−16、25−15)
 第1セットの序盤、日本はMB松本慶彦、MB山村宏太のセンター線が機能する。そして中盤には、この試合、久々にスタメン入りを果たしたWS福澤達哉、WS八子大輔のサイド陣がブロックのいい米国から次々と得点を積み上げた。一方の米国は北京五輪後に台頭してきたWSマシュー・アンダーソンがレフト、バックからのスパイク、さらにはサーブと多彩な攻撃を見せるも、世界トップのサーブを誇るWSクレイトン・スタンリーが連続でサーブをミスするなど、なかなかリズムに乗り切ることができない。日本が試合の主導権を握ったまま試合は終盤へ突入する。

 しかし、北京五輪の金メダルチームがここから驚異の粘りを見せる。23−21から3連続ポイントを奪い、逆に米国がセットポイントを迎えた。しかし、ここで福澤が2本連続でスパイクを決め、日本が逆転。ここから両国の意地のぶつかり合いとなった。日本が福澤、八子を中心にスパイクを決めると、米国はこの試合最も調子のいいアンダーソンを多用。お互いに一歩も譲らない激しい攻防戦が繰り広げられた。この攻め合い、軍配が上がったのは米国だった。37−37から八子のサーブがネットにかかり、10度目のセットポイントを迎えた米国はサーブポイントでこのセットを取り切った。

 大接戦となった第1セットを取った米国は勢いに乗る。第2セット、クイック攻撃で先取点を奪うと、ここから5連続ポイントで主導権を握った。中盤以降も多彩な攻撃に、福澤、松本をブロックで止めるなど守備でも本来の力を発揮し始めた。なんとか流れを変えようと、日本はWS山本隆弘、WS石島雄介を投入するも、米国の勢いを止めることができない。中盤には怒涛の5連続ポイントを奪われると、最後も4連続ポイントで一気に勝負を決められた。

 迎えた第3セット、米国のミスが続き、日本が5−3とリードする。しかし、ここから福澤が2本連続でブロックされるなど、米国に5連続ポイントを奪われて逆転を許した。すると、清水、福澤と3本連続でサイド陣のスパイクが米国の壁にシャットアウトされるなど、完全に流れは米国へと傾いていった。日本は若手ホープの八子を再び投入し、攻撃的な布陣をしいて北京五輪の金メダルチームに果敢に攻めるも、ことごとく跳ね返された。八子が奮起する場面もあったが、時すでに遅し。結局、10点差をつけられてこのセットを落とし、ストレート負けを喫した。