4日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の最終戦、世界ランキング18位の日本は同1位のブラジルと対戦。最後まで粘り強く戦った日本だったが、世界王者の壁は厚く、ストレート負けを喫した。ブラジルはこの勝利で3位に入り、ロンドン五輪への切符を獲得した。

日本 0−3 ブラジル
(21−25、19−25、22−25)
 第1セットの序盤、日本は世界王者のブラジルと互角に渡り合った。相手のサーブミスで始まったこのセット、日本は逆にMB松本慶彦のサーブが決まり、幸先いいスタートを切った。WS福澤達哉、WS米山裕太のサイド陣に加え、松本のクイックが効果的に決まり、ブラジルにくらいついていった。一方のブラジルはロンドン五輪の切符獲得のためには絶対に負けられないプレッシャーからか、サーブなどのミスが続き、なかなかリズムに乗り切れずにいた。だが、中盤以降は逆にそのサーブで日本の守りを崩し、徐々に引き離していった。12−13から3連続ポイントを奪ったブラジルは、試合の主導権を握った。日本も終盤、福澤のスパイク、清水のサーブポイントなどで3連続を奪い、なんとか追い上げをはかろうとする。しかし、ブラジルがそのままリードを守り、このセットを先取した。

 第2セット、2−1から日本はブラジルのサイド攻撃を2本連続でブロックし、リードを奪うと、サイド、センターと多彩な攻撃を展開し、勢いに乗った。一時は10−10と同点に追いつかれるも、そこから松本のサーブでブラジルの守りを崩し、5連続ポイントを奪って、再びリードする。だが、終盤にブラジルの強さを知ることになる。ブラジルは徐々にその差を縮めると、日本リードの19−16からキャプテンのWSジバのスパイクで2点差とする。そしてそのジバのサーブで日本はリズムを崩した。好調だった米山のライトからのスパイクがアウトになると、WS清水邦弘のスパイクがブラジルの高い壁に阻まれるなど、怒涛の8連続ポイントでブラジルが逆転し、セットポイントを迎えた。そして最後はジバのサーブをL永野健が弾き、ブラジルが連取した。

 第3セット、後がない日本は序盤、清水、福澤のサイド陣を中心に着実に得点を重ねていった。しかし、7−10から守備のいい米山のサーブレシーブが乱れ、相手にポイントを奪われる。さらに、今大会最もコンビネーションが合っていたS宇佐美大輔からの松本へのBクイックのトスが合わず、ボールはそのままネットを越え、ブラジル側のコートの外へ。徐々に流れはブラジルへと傾いていった。それでもMB山村宏太が212センチの長身アタッカー、WSヴィソットのスパイクを2本もブロックする活躍を見せるなど粘った日本は、21−23と2点差まで詰め寄った。しかし、ヴィソットのスパイクが決まり、ブラジルのマッチポイントを迎えると、福澤のバックアタックで1点を返したものの、最後はネット際に上がったボールを押し込まれてゲームセット。日本は4試合連続でストレート負けを喫した。

 2勝9敗で12チーム中10位という成績に終わった日本は、来年5月の最終戦予選に臨むこととなった。今大会で世界の壁の高さを思い知らされた日本にとって、ロンドン五輪への道は遠く、険しい。果たして植田達哉監督はどうチームを再建するのか。5カ月後、さらに成長した“龍神NIPPON”の姿が見られることを期待したい。