2011年競輪界の総決算、「KEIRINグランプリ2011」が30日、平塚競輪場で行われ、山口幸二(岐阜)がレースを制し、13年ぶり2度目の優勝。賞金1億円を獲得した。山口は現在43歳で、06年の有坂直樹(当時37歳)を上回り、史上最年長のグランプリ制覇。2着は3/4車身差で武田豊樹(茨城)、3着には微差で浅井康太(三重)が入った。
「絆」がクローズアップされた1年を象徴するようなレースだった。深谷知広、浅井、山口の中部ラインが結束してレースの主導権を握り、3番手から山口が差し切った。

 レースのスタートから前へ出たのは佐藤友和。彼に引っ張られて東北ライン(佐藤、伏見俊昭、成田和也)が先頭を走り、茨城ライン(武田、長塚智広)、中部ラインが一直線になって後を追う展開となった。

 動きが出てきたのはラスト2周半から。まず深谷を先頭に中部ラインが後ろからスルスルとペースをあげてレースを引っ張る。すかさず茨城ラインも抜き返し、激しい先行争いが繰り広げられた。残り1周半のジャンが鳴ると、再び先頭は深谷率いる中部ラインに。深谷はどんどん踏んで後続を引き離しにかかる。

 この流れに茨城ライン、東北ラインは乗り遅れた。早めに仕掛けた深谷は残り半周で力尽きたが、番手から浅井が前へ。武田も懸命にまくるが届かない。そして浅井の後ろにうまくつけていた山口が最後の直線で差し、トップでゴール線を駆け抜けた。なお、第4コーナーを廻ったところで長塚が落車し、後ろを走っていた村上義弘(京都)が転倒。長塚は失格となった。

 今季の山口は日本選手権、寛仁親王牌、オールスター競輪とG1レースで3度も2着に入る安定した成績を残し、獲得賞金上位で12年ぶりのグランプリ出場権を獲得した。日本競輪選手会岐阜支部の支部長を務めつつ、若手に交じって練習を重ねてきたことが報われたかたちだ。見事、1億円を手中にした中年の星は「本当にうれしい」と歓喜の涙。「中部の絆を感じた。(他の)2人のためにも頑張ろうと思った」と“絆”の勝利を強調していた。

 主な払戻金は以下の通り。

▽枠連  (2)−(4) 3,000円
▽車連  (2)−(5) 5,320円
▽車単  (2)−(5) 17,770円
▽3連複 (2)−(5)−(7) 3,860円
▽3連単 (2)−(5)−(7) 62,150円

※結果、払戻金などは必ず主催者発表のものとご確認、ご照合下さい。