第88回東京箱根間往復大学駅伝競走最終日は3日、神奈川・箱根町の芦ノ湖駐車場前から東京・大手町までの復路5区間(109.9キロ)でレースが行なわれた、前日の往路で新記録を樹立し、4連覇を達成した東洋大が最後まで独走した。前日の4区から6区連続で区間賞を獲得した東洋大。前回大会で早稲田大が樹立した記録を約8分も上回る10時間51分36秒の総合新記録で2年ぶり3度目の総合優勝を果たした。
 4年連続トップでスタートした東洋大は、3年連続で6区を任された市川孝徳(東洋大)が快調に山を下って行った。途中までは昨年、千葉健太(駒澤大)がマークした区間記録を上回るペースで飛ばした市川。だが、その疲労が蓄積したのか、平地になると苦しい表情を浮かべる。それでも過去3年間で自身最高、区間賞となるタイムで小田原中継所に入った。

 7区では激しい2位争いが繰り広げられた。4位スタートした駒澤大の上野渉が小田原中継所では21秒差あった佐々木寛文(早大)をとらえると、そのまま2人の並走が続く。そして4キロ手前では明治大の北魁道に追いつき、3人の2位集団が形成された。一度は上野が遅れをとる場面もあったが、すぐに追いつく粘りを見せる。しかし、10キロ付近で3人がばらけ始め、2位・早大、3位・明大、4位・駒大の順にはるか前を行く東洋大を追った。佐々木が一人抜け出した後も、3位争いは続いた。北が前を行けば、すぐに上野が前へ……。意地と意地のぶつかり合いで、どちらも全く譲らない競り合いが演じられた末、ほぼ同時に前をいく早大のわずか13秒後に平塚中継所に入った。

 一方、東洋大の設楽悠太は終始落ち着いた表情で、安定した走りを見せた。右手を高く上げ、ガッツポーズをしながら平塚中継所に姿を見せた設楽。区間新記録となる1時間2分32秒をマークした。さらに8区では同じ2年生の設楽悠に負けじと、大津顕杜も初の箱根ながら区間記録の1時間4分5秒からわずか7秒遅れの1時間4分12秒の好タイムでたすきを渡した。往路スタートの芦の湯では5分14秒だった2位・早大との差は、この時点で9分1秒にまで広がった。

 9区の田中貴章(東洋大)に異変が生じたのは18キロ付近。たすきや右腹を支えながら、苦しい表情を見せ始めた。2位との差を約1分半縮められたものの、約7分半の差でアンカー齋藤貴志にたすきを渡した。その齋藤も初の箱根ながら区間賞を獲得する快走を見せ、笑顔でチームメイトが待つ大手町のゴールに飛び込んだ。東洋大は大会新記録となる10時間51分36秒で2年ぶり3度目の総合優勝を果たした。2位には早大、明大との激しい争いを制した駒大が入り、続いて明大、早大と続いた。

 復路の順位は以下の通り。
(1)東洋大、(2)駒澤大、(3)明治大、(4)早稲田大、(5)青山学院大、(6)城西大、(7)順天堂大、(8)中央大、(9)山梨学院大、(10)國學院大、(11)国士舘大、(12)東海大、(13)帝京大、(14)拓殖大、(15)神奈川大、(16)上武大、(17)関東学連選抜、(18)中央学院大、(19)日本体育大、 (20)東京農業大