ラグビー・トップリーグのプレーオフ決勝が26日、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、サントリーサンゴリアス(リーグ1位)が47−28でパナソニックワイルドナイツ(リーグ3位)を破り、4季ぶり2度目の優勝を果たした。昨季と同じ顔合わせとなった試合はサントリーが計5トライをあげ、相手を突き放した。サントリーは日本代表HCに就任が決まっているエディー・ジョーンズ監督の下、今度は日本選手権で連覇に挑む。
 元オーストラリア代表のFLジョージ・スミス(サントリー)と南アフリカ代表のジャック・フーリー(パナソニック)。決勝の大舞台で輝いたのは2人の世界的プレーヤーだ。

 まず魅せたのはフーリーだ。サントリーが2本のPGでリードした前半19分、SH田中史朗のパスを後ろから走りこんでキャッチ。相手のスキを巧みに突いて中央を抜け出す。そのままトライをあげ、その後のゴールで逆転に成功した。このトライをきっかけにパナソニックが試合の主導権を握り、一時は13−6とリードを奪う。

 しかし、リーグ戦でトップの512得点を記録したサントリーも徐々に立て直し、敵陣に迫る。そして32分、ゴール手前のラックからFL佐々木隆道がボールを持って縦へ突っ込む。左でパスを受けたSHフーリー・デュプレアがトライ。ゴールも決まって同点に追いつく。

 さらに、その4分後には分厚い攻撃が威力を発揮。敵陣ゴール前のラインアウトからモールで一気に押し込み、最後はスミスがゴールに飛び込んだ。20−13。サントリーが再逆転に成功し、試合を折り返す。

 後半は互いにPGを1本ずつ決め、一進一退の攻防。ラスト20分となり、どちらが先にトライを決めるかが試合の分岐点となる。その大事なトライを奪ったのはサントリー。再びラインアウト後のモールから、これまたスミスが左隅に持ち込む。30−16と点差が開き、流れは大きく黄色のユニホームに傾いた。

 勢いに乗るスミスは24分、デュプレアからのパスを受けて躍動した。相手の逆を突いて、タックルをかわし、中央を突破。この日、3本目となるトライを決め、試合を決定付けた。パナソニックはフーリーがインターセプトから独走トライを決めるなど、反撃をみせるが及ばない。後半の20分過ぎから大きく得点が動いた一戦はサントリーに軍配が上がった。

 昨季決勝の雪辱を果たしたジョーンズ監督は「後半はいいプレーをしてくれた。選手、スタッフ全員を誇りに思っている」と満足そう。だが、「10分間はパナソニックの時間だった。もっといいラグビーを披露したい」と日本選手権に向け、手綱を締めることも忘れなかった。代表HC就任により、ジョーンズ監督は今季限りの退任が決まっている。キャプテンのNo.8竹本隼太郎は「いい準備をして、(日本選手権との)2冠を獲って送り出したい」と2006−07シーズンの東芝ブレイブルーパス以来となる“完全制覇”を誓った。

 決勝で対戦した両チームは日本選手権は準決勝(3月11日)から登場。決勝は3月18日に東京・国立競技場で行われる。