日本ボート協会は6日、ロンドン五輪アジア大陸予選会(4月、韓国)に臨む男子軽量級ダブルスカルの代表クルーの内定を日本スポーツ仲裁機構(JSAA)の裁定により取り消された件で、4月6日に再レースを実施して代表を決定すると発表した。再レースでは、JSAAに不服を申し立てて認められた武田大作(ダイキ)が浦和重(NTT東日本)とペアを組み、代表内定を取り消された須田貴浩(アイリスオーヤマ)、西村光生(仙台大)ペアとの2000mマッチレースを行う。3レースで先に2勝したペアが改めて代表となる。
 JSAAで内定取り消しの判断が出たことを受け、武田は1日にボート協会へ文章を提出。再レースを実施すると、既に練習を重ねている代表クルーとの不公平が生じる点や、アジア予選までの日程が限られる点から、昨年11月の最終選考会のタイムを元に本来は1位、2位だった浦と武田を代表に選ぶよう申し入れていた。しかし、協会は現時点での最強クルーを選ぶには再レースが最善策として要望を受け入れなかった。

 武田は決定に従う方針だが、浦は参加に難色を示しており、これから説得にあたる。武田、浦はアテネ、北京五輪でペアを組んでいたとはいえ、与えられた時間は1カ月しかない。アテネでは6位入賞を果たしたベテランクルーの底力が試されることになりそうだ。