日本ラグビー協会は16日、次世代の日本代表入りが期待される選手を継続的に育成するためのプロジェクト“ジュニアジャパン”の発足を発表した。今年度のジュニアジャパンのスコッドには埼玉・深谷高3年のSO山沢拓也や帝京大の3連覇に貢献したCTB森田佳寿(東芝)ら、17〜24歳の若手38名を招集。原則として毎月第1、3火曜日に関東で練習を実施し、6月15日にはトンガと試合を行う。発足会見にはエディー・ジョーンズ代表ヘッドコーチ(HC)も同席し、「ジャパンとしての一体感を持たせることが大事。世界のトップレベルは、こういう育成システムを持っている。これが成功すれば代表は勝てるが、失敗すれば勝てないだろう」と、ジュニアジャパンの成否が日本ラグビーの将来を大きく左右すると訴えた。
 このジュニアジャパンは2015年イングランドW杯のトップ10入り、2019年日本W杯のベスト8入りを狙う日本代表を担う逸材を年間を通じて強化するために設けられた。従来、代表のセカンドチームであったA代表と同じ位置付けとなり、国際大会への参加や海外遠征も行う。

 これまでのA代表や各年代の代表と大きく異なるのは、ジョーンズHC以下、代表スタッフが選手のセレクションや、練習プログラムにまで携わる点だ。また、チーム戦術よりも、ストレングス&コンディショニングなど個々人のスキルを高めることに主眼を置く。ジュニアジャパンの選手たちは各自で目標を定め、月2回の合同トレーニングで成長レベルをプロジェクトのコーチ陣がチェック。そこで見つかった課題や新たなテーマを所属チームの練習でクリアするというスタイルで強化を図る。加えて若手を定期的にコーチングするなかで、ジュニアジャパンのコーチ陣から将来の代表を指導できる人材も養成する。

 岩渕健輔代表GMは2019年まで、このプロジェクトを続けていくことを明らかにし、「(メンバーの)集合は2週間に1回でも、1年365日の継続した育成プログラムだと考えている。この中から2015年、2019年のW杯でどのくらいのメンバーがW杯に出られるかが重要」と語った。初回は早速、17日から始動し、7月中旬には代表との合同合宿も実施。ジョーンズHCを交えて半年から1年のスパンでスコッドを見直しながら、活動を続けていく方針だ。