2日、「内閣総理大臣杯争奪第40回記念車椅子バスケットボール日本選手権大会」が東京体育館で開幕する。国内最高峰の大会として開催される同大会は、各地区10ブロックの予選会を突破した20チームが一堂に介し、3日間に渡って激しい戦いが繰り広げられる。昨年は、東日本大震災の影響で中止を余儀なくされた同大会は、2年ぶりの開催となる。さらに今夏のロンドンパラリンピックには男子日本代表が出場することもあって、例年以上に注目される。最終日にはパラリンピック代表選手も発表される予定だ。
 東日本大震災の震災地の一つ、宮城県仙台市を拠点とする宮城MAXは、岩佐義明監督をはじめ、多くの選手が被災した。しばらくはバスケットどころではなく、生きることに必死だったという。彼らが練習を再開したのは約1カ月後。車で片道1時間以上をかけて山形県などの体育館に通った。ままならない練習環境の中、それでも選手たちはバスケットへの思いを募らせ、そして改めて自分にとってのバスケットの存在意義を感じた。そして、誰もが皆、バスケットをやれることの喜びと感謝の気持ちに満ち溢れていた。

 それがさらなるチームワークを生み出した。満足のいく練習などできない中、昨年7月、宮城MAXは震災後、初の公式戦となったDMSカップに出場した。実戦感覚が戻り切っていなかったのだろう、予想以上に苦戦を強いられた。正直、どの試合も彼らは納得することはできなかっただろう。しかし、それでも宮城MAXは優勝を果たした。結果を出すことで、自分たちの健在ぶりをアピールしてみせたのだ。

 あれから宮城MAXは一度も負けることなく、連勝街道を走り続けてきた。そして迎える日本選手権。「絶対に負けない」と語気を強める岩佐監督の視線の先には、ロンドンパラリンピックがある。自らが日本代表の指揮官であり、チームには日本代表候補選手が多く存在する宮城MAXが、最も大事な大会で連勝をストップさせるわけにはいかない。しっかりと日本一の座をつかみ、その勢いでロンドンに乗り込むつもりなのだ。
 とはいえ、他のチームもみすみす宮城MAXに負けるわけにはいかない。宮城MAXの4連覇を阻むチームが出てくるのかが、今大会の最大の見どころだ。

<日時>
2日(水)
 開会式 13時半〜
 試 合 14時50分〜
3日(木)
 試 合 10時〜
4日(金)
 試     合 9時40分〜
 エキシビジョン 11時20分〜
 3位決定戦   12時〜
 決勝セレモニー 14時〜
 決     勝 14時20分〜
 閉  会  式 16時45分〜

<出場チーム>
○北海道ブロック
旭川リバーズ
○東北ブロック[/b]
 宮城MAX
 AOMORI JOPS
○関東ブロック
 千葉ホークス
 埼玉ライオンズ
 川崎WSC
 森本文化風呂商会
 パラ神奈川SC
○東京ブロック
 NO EXCUSE
 東京ファイターズB.C
○甲信越ブロック
 長野WBC
○東海北陸ブロック
 ワールドBBC
 富山県WBC
 三重チャリオッツ
○近畿ブロック
 清水M・S・T
 LAKE SHIGA
○中国ブロック
 広島Rise
○四国ブロック
 高知シードラゴンズ
○九州ブロック
 SEASIRS
 太陽の家スパーズ