世界柔道選手権が28日、ブラジルのリオデジャネイロで3日目を迎え、男子73キロ級では21歳の大野将平(天理大)が決勝までの6試合すべてで一本勝ちし、初優勝を達成した。同階級のロンドン五輪銀メダリストで前回覇者の中矢力(ALSOK)は準々決勝で敗れて頭を強打して脳しんとうを起こし、敗者復活戦を棄権した。また女子57キロ級では山本杏(国士舘大)が準々決勝で敗れ、3位決定戦も敗れてメダルを逃した。
 60キロ級の高藤直寿(東海大)に続く新星誕生だ。
 初出場の大野にとって、最初のヤマ場は初戦だった。相手は07年、09年と世界柔道を制している王己春(韓国)。だが、強敵にも臆せず攻め続け、相手に4度の指導が入って反則勝ちを収める。これで波に乗ると、準々決勝では前回大会の銀メダリスト、デクス・エルモント(オランダ)にポイントでリードを許しながら試合終了間際に追いつき、延長の末、内股で下した。

 準決勝も一本勝ちを収め、決勝で顔を合わせたのはロンドン五輪銅メダリストのウーゴ・ルグラン(フランス)。またもや強豪相手ながら、重量級の選手を相手に稽古を積んできた成果が現れた。開始2分30分、鋭い跳ね腰でルグランを豪快に畳の上へたたきつけた。

 連覇を狙った中矢が準々決勝で敗れる波乱がありながら、ニューヒーローが金メダルをもたらせた。これで日本男子は3日連続の金メダル。復調ムードが高まりつつある。