15日、「FIVB(国際バレーボール連盟)ワールドグランドチャンピオンズカップ2013」が東京体育館で行なわれ、日本は世界ランキング12位のタイと対戦。タイの粘りに苦戦する場面も見られたが、多彩な攻撃で3セット連続で勝ち切り、ストレート勝ち。これで通算成績を2勝1敗とした。
(写真:アタックラインから強烈なスパイクを決める迫田)

日本 3−0 タイ
(25−20、29−27、25−22)
 会場を名古屋から東京に移して行なわれた第3戦。日本は2カ月前のアジア選手権決勝で敗れ、アジア王者の座を奪われたタイと対戦した。第1セット、序盤はお互いに一歩も譲らないシーソーゲームとなる。最初に抜け出したのは日本だった。10−9からWS迫田さおり、WS石井優希のスパイクなどで13−9とリードする。だが、15−11から日本のアタッカー陣のミスなどもあり、タイに5連続ポイントを奪われ、15−16と逆転された。ここから再び激しい点の取り合いとなる。しかし終盤、タイは痛恨のミスが続き、最後もレフトからのスパイクがラインを割り、日本に25点目が入った。

 続く第2セットも序盤は1点を争う攻防戦が展開された。ところが、9−9から日本のスパイクをタイが粘り強く拾い、逆に攻撃につなげて5連続ポイントを奪う。試合の主導権は完全にタイにいったかと思われたが、日本は諦めずにじわりじわりと追い上げを図る。そして、最大5点あった差を17−18と1点差に迫る。ところが、ここで迫田が痛恨のサーブミスを犯す。日本にとってブレーキとなりかけたこのミスをすぐにかき消したのが、エース、そしてキャプテンのWS木村沙織だった。木村はブロック、そしてサービスエースを連続で決めて同点にしてみせた。これに呼応するかのようにWS新鍋理沙もレフトからのクロススパイクを決め、日本はこのセット初の3連続ポイントで逆転した。だが、タイも負けてはいない。すぐに3連続ポイントを奪い返して、20−22と再びリードを奪う。ここから熾烈なポイントの奪い合いとなり、4度のセットポイントが繰り返された末、最後は木村がスパイクを決めた日本が競り勝った。

 最終セットは序盤から日本が主導権を握る。4−5から迫田、そして今大会、絶好調の新戦力、石井などがスパイク、サーブを決めて6連続ポイントを奪う。タイも粘りを見せて、必死に追い上げを図るも、日本は一度も追いつかれることなく、逃げ切る。最後は、木村のスパイクで決めた日本。アジア選手権のリベンジをストレート勝ちという最高のかたちで果たした。

「アジア選手権で完敗した相手にリベンジできた。2カ月前は相手ペースでやられたが、今日は逆に日本が自分たちらしいつなぎのバレーができたことが勝因だったと思う」と木村。明日のドミニカ共和国戦についても「4年前のグラチャンでドミニカに負けてメダルを逃した。今回は同じことにならないように全員バレーで勝ちにいく」と意気込んだ。通算成績を2勝1敗とした日本は、3戦全勝のブラジルに次いで2位に浮上した。明日のドミニカ戦での勝利はメダル獲得には不可欠。現状における“新生・火の鳥NIPPON”の真価が問われる試合となりそうだ。

(文・写真/斎藤寿子)