29日、日本スケート連盟は長野・エムウェーブでスピードスケートのソチ五輪日本代表を発表し、バンクーバー五輪のメダリストの加藤条治(日本電産サンキョー)、長島圭一郎(日本電産サンキョー)、小平奈緒(相澤病院)、田畑真紀(ダイチ)ら17名を選出した。前回のバンクーバ五輪を中学3年で出場した高木美帆(日本体育大)は選考レースで振るわず、2大会連続五輪代表になれなかった。一方、高木の姉・菜那(日本電産サンキョー)は1500メートルとチームパシュートの代表に選ばれ、初の五輪出場を決めた。最年長は田畑の39歳で4大会連続5度目の出場。最年少は初出場のウイリアムソン師円(山形中央高)の18歳だった。
(写真:ソチ行きを決めた長島<後列右から2番目>加藤<後列一番右>ら代表メンバー)
 日本代表選考会の閉会式は、午後5時開始を予定していた。しかし、選手たちが集まり出しても一向に始まる気配がなかった。1時間前に開かれていた代表選考の会議の終了が押していたからだ。結局、閉会式が行われたのは、18時45分頃だった。それだけ選考が難航したということだ。

 男子7名、女子10名が選ばれた日本代表には、今シーズンのW杯前半戦で内定を決めていた加藤、長島、小平、石澤志穂に加え、派遣標準記録をクリアし、今回の選考会で上位に入った田畑や3000メートル、5000メートルを制し、長距離2冠の藤村祥子(宝来中央歯科)が選ばれた。

 女子は6種目合計18枠を有していたが、国際スケート連盟が定めた1カ国10人という国別の上限枠があるため、代表はメダルを狙えるチームパシュートを中心に選出。短距離で上位に進出した神谷衣理那(毎日元気)、石野枝里子(日本電産サンキョー)は基準を満たしていたが、代表漏れ。特に神谷は500メートルで3位、1000メートルで4位に入り、代表入りが有力視されていただけに、ショックで泣き崩れた。

 注目の高木姉妹は、ともに表彰台に一度も上がれなかったが、明暗分かれた。1500メートルで4位、3000メートルで7位だった姉の菜那は、この日の5000メートルで5位に終わり、リンクサイドで号泣した。しかし、数時間後の閉会式では日本代表として名を呼ばれ、一転して笑顔となった。一方の妹の美帆は、1000メートル、1500メートル、3000メートルと出場3種目すべてが5位。「自分の実力不足」と、バンクーバーに続く五輪出場はならなかった。

<スピードスケート日本代表17名>

・男子
長島圭一郎(日本電産サンキョー)
加藤条治(日本電産サンキョー)
及川佑(大和ハウス工業)
上條有司(日本電産サンキョー)
山中大地(電算)
近藤太郎(専修大)
ウイリアムソン師円(山形中央高)

・女子
小平奈緒(相澤病院)
辻麻希(開西病院)
住吉都(ローソン)
田畑真紀(ダイチ)
菊池彩花(富士急行)
押切美佐紀(富士急行)
高木菜那(日本電産サンキョー)
藤村祥子(宝来中央歯科)
穂積雅子(ダイチ)
石澤志穂(トランシス)

 29日の代表選考会の結果は次の通り。

<男子1000メートル>
1位 山中大地(電算) 1分10秒94
2位 近藤太郎(専修大) 1分11秒05
3位 大和田真(北翔大) 1分11秒58

<男子1万メートル>
1位 小川拓朗(白樺学園高) 13分37秒26
2位 阿部大輝(クレアシオン・インベストメント) 13分44秒89
3位 森哲平(北斗病院) 13分47秒23

<女子1000メートル>
1位 小平奈緒(相澤病院) 1分17秒06
2位 住吉都(ローソン) 1分17秒72
3位 辻麻希(開西病院) 1分18秒23

<女子5000メートル>
1位 藤村祥子(宝来中央歯科) 7分8秒63
2位 穂積雅子(ダイチ) 7分9秒84
3位 石野枝里子(日本電産サンキョー) 7分16秒33