2013年競輪界の総決算、「KEIRINグランプリ2013」が30日、立川競輪場で行われ、金子貴志(愛知)がレースを制して初出場初優勝を収めた。38歳の金子は7月の寛仁親王牌でGI初制覇を飾ったばかり。プロ19年目にして大舞台への出場権を得ると、賞金1億円を獲得し、初の賞金王にも輝いた。2着は浅井康太(三重)、3着には長塚智広(茨城)が入った。
(写真:競輪イメージキャラクターの長澤まさみさん(右)から祝福を受ける金子)
 昨年まではグランプリはおろか、GI制覇すらなかったベテランが2013年最後の大一番をトップで駆け抜けた。
「本当にうれしい。諦めなければ夢は叶うことを実感した」
 勝者は喜びいっぱいの様子だった。

 この7月に寛仁親王牌でGIを初勝利を収めると、直前での競輪祭も優勝。いずれも愛弟子である深谷知広(愛知)が先行してレースを動かしたところを後ろから抜け出して制した。この日も師弟コンビで同じ展開に持ち込んだ。

 レースは新田祐大−成田和也の福島ラインに単騎の村上義弘(京都)、長塚−平原康多(埼玉)−後閑信一(東京)の関東ライン、深谷−金子−浅井の中部ラインが続くかたちで推移する。残り2周の赤板手前から中部ラインが前に出て引っ張ると、ラスト1周半の打鐘で深谷が加速し、逃げにかかる。

「深谷の気持ちが伝わってきた。バンクでしびれることは普段はないのに鳥肌が立った」
 弟子に引っ張られた金子が番手でぴたりとつけると最後の直線で先頭へ。内からきた浅井、外から来た長塚の追い込みをかわした。ゴール直後には勝利を確信してガッツポーズが飛び出した。

 1年間でGI2勝に加え、グランプリも優勝。本人も「まさか(グランプリまで)獲れるとは思っていなかった。夢じゃないかな」と半信半疑の面持ちだ。1億円の使い道について問われると「車を買いたい」。奇しくもこの日は長男の12歳の誕生日で、家族へ最高のプレゼントとなった。

 主な払戻金は以下の通り。

▽枠連  (3)−(5) 1,360円
▽車連  (3)−(6) 1,330円
▽車単  (3)−(6) 1,940円
▽3連複 (3)−(6)−(8) 8,940円
▽3連単 (3)−(6)−(8) 23,930円

※結果、払戻金などは必ず主催者発表のものとご確認、ご照合下さい。
(写真:金子(中央・赤)は2着・浅井(右端・緑)3/4車輪差をつけた)