20日、ソチ冬季五輪の日本代表選手団結団式と壮行会が都内ホテルで行われた。結団式では日本代表選手団主将のノルディックスキー・ジャンプ代表の葛西紀明(土屋ホーム)が「名誉ある日本代表選手団に選ばれたことを誇りとし、自覚と責任を持って、大会に臨みます。ひとりひとりが不撓不屈の精神で取り組んできたトレーニングと、ソチに向けた熱い思いをチームジャパンとして集結し、一意専心競技に挑みます」と決意を表明した。ロシア初の冬季五輪開催となるソチ大会では、過去最多の7競技98種目が実施される。日本選手団の人数は、アイスホッケーやカーリングの団体種目の影響で、初めて女子が男子を上回る見通し。最年長は41歳の葛西で、最年少はスノーボード・ハーフパイプの平野歩夢(バートン)の15歳になると見られている。
(写真:左から日本選手団の橋本団長、葛西主将、田畑副将、旗手の小笠原)


 結団式では、来月7日の開会式で旗手を務めるカーリング代表の小笠原歩(北海道銀行)に選手団旗の授与が行われた。続く壮行会では、安倍晋三首相、森喜朗元首相らが激励。安倍首相が「日本の若い選手たちの夢を背負って頑張っていただきたい」とエールを送ると、森元首相は「日本を代表する大使となっていただきたい」と、2020年の東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長に就任予定ということもあり、世界に向けてのアピールを期待した。その他にもレスリングの吉田沙保里、重量挙げの三宅宏実らロンドン五輪のメダリストからもVTRで応援メッセージが送られるなど、壮行会は盛大に執り行われた。

 バンクーバー大会に続き日本代表選手団団長を務める橋本聖子は、結団式、壮行会後に行われた記者会見で「2020年に東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定した後、最初のオリンピックであります。ソチの熱い想いをリオから平昌、そして東京と、つながっていけるような大事なスタート。ロンドンから受け継いだ想いをソチでも日本の皆様にお届けできるように頑張って参りたいと思っております」と抱負を述べた。

 8年ぶりの五輪で旗手という大役を担う小笠原は「勝敗を決める一投を投げる。それに等しいくらいのプレッシャー。こんなに重たいもなのだなと感じた」と責任をヒシヒシと感じている様子。チームでもスキップという重責を担う小笠原は、それに応える覚悟はできている。「私より素晴らしい選手がいる中で、私を選んでいただいたからには結果を残したい」

 ソチ五輪での目標について、橋本団長は「団長として選手の力を信じて、全力で目標に向かっていけるようなサポート体制を敷く。それができれば長野を超えることは間違いないと確信しております。金メダル5個、合計10個のメダルを最大の目標として邁進しようと思っています」と力強く語った。代表も続々と決まり、本番が近づくにつれ、徐々に熱を帯びてきているソチ五輪。冬の寒さを、吹き飛ばすような熱い戦いを期待したい。

 その他のコメントは次の通り。

◇男子スピードスケート・加藤条治
「自分の滑りを精一杯出し切るだけ。終わった後、満足できるようにノビノビ滑るようにしたい」

◇男子フィギュアスケート・町田樹
「(壮行会は)4、5回目。4、5回送り出されたので、バッチリ自覚を持ちました。本番だけが本番じゃない。氷上に上がる1回、1回を大切にしていきたい」

◇女子フィギュアスケート・鈴木明子
「4年前に1度経験し、その時より周りが見える。多くの方にスケートを見てもらって、フィギュアスケートを好きになってもらいたい。自分がベストを尽くし、それが未来のこどもたちの夢につながればいい」

◇女子アイスホッケー・大澤ちほ
「私たちは数少ない団体スポーツ。日本選手団に勢いをつけれたらいい。日本全体に元気を与えられるようなプレーをしたい」

(文・写真/杉浦泰介)