元日恒例の第59回全日本実業団対抗駅伝競走(ニューイヤー駅伝)が1日、前橋市の群馬県庁前を発着点とする7区間100キロのコースに37チームが出場して行なわれ、4区で先頭集団に入り、最後はトップ争いを演じたコニカミノルタ、日清食品グループを引き離したトヨタ自動車が2011年以来となる優勝を果たした。
 スタートで集団を引っ張るようにして飛び出したのは、昨年区間賞の旭化成の大西智也。しかし、3キロを過ぎた時点ではスバルの阿久津圭司、5キロを過ぎるとDeNAの上野裕一郎、と次々と先頭が入れ替わる。すると11キロ過ぎ、3年ぶりの王座奪還を狙う日清食品の大迫傑がギアを上げ、一気に他のランナーとの差を広げた。大迫はそのままトップで襷をつなぎ、5秒差でプレス工業とスバル、6秒差でトヨタ自動車、そして3連覇を狙うコニカミノルタが7秒差で続いた。唯一外国人選手が走ることのできるインターナショナル区間の2区では、日清食品のレオナルドが独走し、トップの座を守ってエースの佐藤悠基に襷を渡した。

 3区では、コニカミノルタの菊地賢人が10キロ過ぎたあたりからじわじわと先頭の佐藤との差を縮めていった。残り1キロの時点で5秒差とすると、ラストスパートでさらに1秒縮め、4秒差で中継所に入った。快走を見せたのは、昨年区間賞の旭化成・鎧坂晢哉。17位で襷を受け取った鎧坂は、11人を抜き去り、6位に浮上した。

 最長のエース区間である4区には、大学時代に箱根駅伝で活躍した注目選手たちが多く登場した。先頭を行く日清食品の村澤明伸の後ろにピタリとついたのは、双子の設楽兄弟の兄、啓太。そしてこの2人を猛追したのはトヨタ自動車の窪田忍だった。28秒差で襷を受け取った窪田はスタートから一気にペースを上げ、わずか3.8キロで村澤と設楽啓に追いつくと、そのまま後ろにつくことなく強気に自らが先頭に立った。ここから三つ巴の戦いが続いたが、7キロ付近で窪田がペースを上げると、村澤が遅れ始め、先頭争いは窪田と設楽啓のルーキー同士の対決となった。

 そして13キロ過ぎで先にしかけたのは設楽啓だった。ペースを上げ、窪田を引き離しにかかる。しかし、窪田も意地を見せて追いつく。するとすぐに設楽啓が再びスパートをかけた。このまま設楽啓が行くかと思われたが、残り2キロ地点で今度は窪田が先頭に立った。左足が痙攣を起こしたのか、苦しい表情を浮かべる設楽啓。それでも懸命に窪田についていった。さらに、その後ろから向かい風に強い村澤も最後の力を振り絞り、2人との差を縮める。この激しいトップ争いを最後に制したのは、余力を残していた設楽啓だった。ラストスパートをかけて、トップで襷をつないだ。設楽から4秒後に窪田、6秒後に村澤が中継所に入った。そして4位には区間新の好タイムを叩き出した設楽悠太が入った。

 強い向かい風の中、5区ではコニカミノルタ、日清食品、トヨタ自動車の三つ巴の戦いが最後まで繰り広げられた。この三つ巴の戦いに終止符をうつかのように、6区で独走態勢を築いたのはトヨタ自動車の田中秀幸。田中はトップの座を明け渡すことなく、2位のコニカミノルタに1分30秒差をつけて最終の7区へとつなげた。そしてトヨタ自動車のアンカー早川翼は危なげない走りでトップを守り、4年ぶりの栄冠をつかんだ。2位にはコニカミノルタ、3位には日清食品が入った。

 順位は以下の通り。
(1)トヨタ自動車(2)コニカミノルタ(3)日清食品グループ(4)Honda(5)中国電力(6)DeNA(7)富士通(8)NTN(9)トヨタ自動車九州(10)旭化成(11)小森コーポレーション(12)九電工(13)大塚製薬(14)JR東日本(15)SUBARU(16)ヤクルト(17)マツダ(18)安川電機(19)日立物流(20)SGホールディングスグループ(21)プレス工業(22)愛三工業(23)愛知製鋼(24)黒崎播磨(25)住友電工(26)トヨタ紡績(27)NTT西日本(28)八千代工業(29)中央発條(30)中電工(31)YKK(32)三菱重工長崎(33)JFEスチール(34)南陽市役所(35)大阪ガス(36)トーエネック(37)重川材木店