「リオの風」は、株式会社アライヴンとのタイアップコーナーです。2年後のリオデジャネイロ五輪、パラリンピックを目指すアスリートを毎回招き、アライヴンの大井康之代表との対談を行っています。各競技の魅力や、アライヴンが取り扱うインヴェル製品を使ってみての感想、大舞台にかける思いまで、たっぷりと伺います。
 第2回はリオ五輪から正式競技に採用される7人制ラグビー女子で、日本代表(サクラセブンズ)復帰と、今秋のアジア予選での活躍が期待される鈴木彩香選手の登場です。
 仲間と勝ちに行く点が魅力

――リオ五輪の7人制ラグビーは12カ国が本大会に出場できます。サクラセブンズは、まず今秋に開かれるアジア予選で1枠の出場権獲得を目指します。
大井: アジアで1枠だけとは厳しいですね。ライバルとなるのはどこでしょう?
鈴木: 中国が強敵です。中国は五輪競技になったことで、お金をかけて強化しています。

大井: 7人制ラグビーは五輪競技として注目を集めていますが、始めた頃は女子の選手は少なかったのでは?
鈴木: 小学2年で始めた時は男子がほとんどでした。私の住んでいた横浜の地域はラグビーが盛んで、週に3回、小学校で練習していました。日曜には外国人のクラブチームとも一緒に練習や試合をしていましたね。

大井: ラグビーをおもしろいと感じたのはどんな点?
鈴木: 最初は大好きな友達と一緒にボールを追いかけてトライするのが楽しかったんです。今も仲間と一緒にきつい練習を乗り越えて、みんなで勝ちに行くところが好きですね。

大井: みんなで試合に勝つ上で大切なことは?
鈴木: 選手にはそれぞれ役割があります。私ならゲームをコントロールして、味方にトライをとらせたり、守りでボールを奪い返す。そういった個々の役割を100%全うすることが勝利への道だと考えています。

大井: ラグビー選手となると女子でも体格は大きいのでしょうか。
鈴木: 日本はそれほど大きくないのですが、イングランドやロシアの選手になると、身長は175〜180センチで骨格が違います。お尻も大きいし、肩幅も広くてしっかりしていますね。

大井: そういった選手たちとぶつかるのは怖くない?
鈴木: 怖くはないですね。むしろ、楽しいです。強い相手に挑戦するのはやりがいを感じます。

 ポイントは疲労回復

大井: しかも7人制ラグビーは1日に何試合もするそうですね。大変でしょう。
鈴木: 7分〜10分ハーフの試合を1日に3〜4試合します。だから、いかに疲労を回復させて次の試合にベストの状態で臨めるかが一番大事なんです。

大井: となると、インヴェル製品はもってこいですね。ブラジルで誕生したインヴェル製品は、遠赤外線による温熱パワーが特長です。手触りの良さと、ぽかぽかとした温かさで現地のスポーツ選手からも幅広く支持されていますよ。
鈴木: 競技中はスパッツの上にハーフパンツを履くことが多いので、ぜひ使いたいです。先日は移動中にアイマスクを着けたら、グッスリ眠れました。

大井: ベッドに敷くリチャージや靴の中に入れるインソールも使って、リオまでケガなく、いいプレーを続けてください。
鈴木: ラグビーはケガをすることもあるので、コンディションをどう整えるかが大切なんです。どの選手も、競技を続けていると、どこかしらケガが出てくる。加えて遠征で移動も多い。それでも練習や試合は100%の状態で臨まなくてはいけません。ケガとうまく付き合いながらコンディションを100%にするのが難しい。だから、こういった製品があると選手としてはありがたいですね。

大井: メディアへの露出度が高まってくると、女性ですからヴィジュアルも気になりますよね。
鈴木: もちろんです。海外に行くと乾燥している場所もあるので肌や髪の毛のダメージにはすごく神経を使います。化粧品もいろいろ試していて、今回、撮影用のメイクに「LIVEAGE」を使わせてもらって、すごくうれしかったです。

大井: 我々が取り扱っている「LIVEAGE」ブランドはヒト幹細胞培養液を高配合しているので、美肌レベルを高める化粧品としておススメです。使い続けていただければ、違いを感じてもらえると思いますよ。

 挫折やケガで変わった意識

――鈴木さんは09年、13年と7人制のW杯にも2大会連続出場し、サクラセブンズの主力でしたが、昨年は試練の1年となりました。
鈴木: 昨年は扁桃腺を腫らして入院したり、足の甲をケガしてリハビリをしたり、ラグビーがなかなかできない日々が続きました。

大井: 扁桃腺はもともと腫れやすかったんでしょうか。
鈴木: いえ、いきなり真っ赤に腫れ上がったのでビックリしました。入院も3回しなきゃいけないほどひどくて、手術をして完全復帰するまで5カ月くらいかかりました。

――ラグビーを始めて、それだけ競技から離れた経験はなかったのではないでしょうか。外から見ていて新たな発見はありましたか。
鈴木: たくさんあります。昨年は人としての成長ができた1年だったと感じています。もちろん、代表でプレーを続けて海外遠征をしていれば、スキルの面では、もっと上達したかもしれません。でも昨年1年間は、もう1回、自分自身を振り返りなさいと言われているみたいな気がしました。自分の強さ、弱さを実感させられた1年になったと思っています。

――代表からも長期に離れるかたちとなりましたが、ジャパンへの思いが改めて強くなったのでは?
鈴木: 他の選手を見ていると、本当にひたむきに、がむしゃらに一生懸命、リオに向かって頑張っているのが伝わってきました。代表の中にいると、チーム内の競争が熾烈で、息苦しく感じられた時もあったのですが、やはり、もう一度、あの場所に戻りたいと強く思うようになりましたね。

大井: プレーをする上で心がけていることはありますか。
鈴木: ひとりでは何もできない。それを自覚してチームメイトのいいところを引き出すようにしています。昔の私は「ひとりで何でもできる」と勘違いしていました。ラグビーを始めた頃から男子や大人に交じってプレーしていたので、ちょっと天狗になっていた部分もあったんです。でも、それではうまくいかない。このことに気づけたのが今までの人生で最も大きな転機になりました。

――「ひとりで何でもできる」という考えではダメだと気づかされた出来事があったのでしょうか。
鈴木: 2010年のアジア大会で代表のキャプテンを務めた時です。若手主体のメンバーになって、それまで代表経験のある私がキャプテンに選ばれました。私は世界で勝ちたい思いが強くて、他の選手たちに「ジャパンとは?」「代表とは?」ということを教えたつもりだったんですけど、受け止めた側はプレッシャーにしかならなかった。結局、チームメイトとはすれ違いが生じ、アジア大会でも結果が出なかったんです。その時に、この考え方が間違っていたんじゃないか、と意識が変わりました。私自身が周りに支えられて生かされていると気づき、私も周りを支え、生かすことを考えるようになりましたね。

大井: 仲間と力を合わせることが何より肝心なんですね。いいところを引き出すためのイメージトレーニングもしているのでしょうか。
鈴木: それは常にしていますね。相手がこう来たら、私はこうステップを踏んで、パスを出すといった具合に動きやタイミングはいつも考えています。

 美しく、世界一を目指す

大井: 代表では五輪出場が当面の目標でしょうが、日本が世界に勝つ上で大事なポイントは?
鈴木: スピードとフィジカルの強さですね。今、世界のラグビーはフィジカル勝負になっていて、日本は体格で勝てない分、運動量やスタミナ、走力で上回る必要があります。私も毎試合、ベストパフォーマンスを出せるよう、栄養士さんのアドバイスの下、体重を増やそうと取り組んでいます。

大井: 体重を増やすのは女性として葛藤もあるのでは?
鈴木: そうですね(笑)。でも、世界で勝つために土台となるフィジカルは不可欠です。そして、もうひとつ重要なのがチームワーク。選手はそれぞれに秀でているところがある。だから足の速い選手は相手を振り切ってトライを獲る。フィジカルの強い選手は体を張ってボールを奪う。そういった選手の良さを使って、判断良く試合を動かすのが、私に求められている役割です。ポジション的にも年齢的にもチームを引っ張って行く立場ですが、ひとりよがりなリーダーにならないように注意しています。

大井: では、メンバーともしっかりコミュニケーションをとっていると?
鈴木: それはかなり心がけていますね。練習や試合が終わった後に「どうだった?」と話をするようにしています。理想としてはケンカするくらい何でも言い合える関係になることがチームワークを良くする上では欠かせないと思っています。

大井: 本音を言い合える関係ですね。
鈴木: 実際にはそこまでお互いをさらけだすのは難しいことです。でも、ささいな日常生活の話題から始まって、好きなこととか、ラグビーを始めたきっかけとか、いろいろ話をしていくと相手の考えや性格がわかってくる。コミュニケーションを積み重ねながら、グラウンドでボールを回していって信頼関係を深めていくんです。こういった関係が築けるのもラグビーの良さではないでしょうか。

大井: 鈴木さん個人としての夢はありますか。
鈴木: 世界一の選手になる。これは高校時代から抱き続けていた目標です。今もそのために練習をしています。私生活から世界一にふさわしい存在になれるよう、女性らしさも磨いていきたいですね。

大井: 美しく、かわいらしく、世界一を目指す。五輪予選、そしてリオにも応援に行きますよ。
鈴木: ぜひ来てください。予選は11月に日本で開催される可能性があります。たくさんの方に後押ししていただきたいですね。女子ラグビーは激しいスポーツですが、観ていただければ、きっと楽しさは伝わると信じています。五輪競技になったことで、最近は親がラグビーを勧めるケースも増えているそうです。私たちが五輪に出て、結果を残すことで、女子ラグビーをもっともっと盛り上げていきたいですね。

(おわり)

鈴木彩香(すずき・あやか)プロフィール>
 1989年9月30日、神奈川県生まれ。ポジションはSO/CTB。小学2年でタグラグビーをはじめ、翌年からラグビーに本格的に取り組む。中学時代はラグビーを続ける傍ら、陸上部にも所属し、100メートルハードルで県大会優勝、全国大会にも出場。中学2年よりユース強化一期生に抜擢され、海外遠征を重ねる。07年の香港セブンズで初代表に選出。関東学院大に進学後、09年にはセブンズW杯に出場。7人制、15人制の両方で日本代表の中心選手となる。12年より立正大大学院に進み、13年のセブンズW杯にも2大会連続で出場した。14年は病気や故障で代表を離れたが、五輪予選へ完全復活を目指す。168センチ。
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(進行役・構成/石田洋之、写真/鈴木友多)