新規参入のドリームメトロギャラリーに移籍して1カ月半。現在はタイでの合宿中です。香港でも炎天下でトレーニングをしていましたから、暑い中での練習には慣れています。体調を崩したり、故障をしないよう、シーズンに向けて状態を上げていきたいところです。

 ただ、開幕に向けた準備の観点でみると、現状は不安を抱いています。それはトレーニングの内容です。チームを率いる香港人監督は現役を退いて1年目。そのため、練習メニューも試行錯誤しているようです。

 チーム状態を上げるには実戦が一番という考え方なのでしょうか。練習よりもトレーニングマッチが連続して組まれています。90分間の試合がほぼ1日おきに設けられるハードスケジュールです。

 新天地で期待されていることはありがたいとはいえ、中1日でフルタイム出場すれば、疲労も溜まります。リカバリーや調整の期間が与えられず、強化ポイントに取り組む時間もありません。

 8月上旬には太ももの筋肉が限界に達し、1週間ほど別メニューを余儀なくされました。開幕前に100%のコンディションではない中、故障を恐れてプレーするのは、決して良いことではないでしょう。
 
 他の選手からもケガ人が発生し、試合は負けてばかり。現状はただ試合をこなしているだけの状態に陥っています。心も体もフレッシュにしてゲームに臨まなくては得るものがありません。単なる相手にとってのいい練習台になってしまっているのではないでしょうか。

 若い選手たちを見ても、試合をやりたがっているようには映らないのが残念です。「試合に出たい」「結果を残したい」という前向きな気持ちでないと、レベルアップにもつながらないでしょう。先日の試合ではスタメン予定だった選手が寝坊で遅刻してきたこともありました。これは試合を“やらされている”と選手が感じている証拠です。

 まだ開幕までは時間があり、問題点を改善するタイミングは残されています。ここは選手の立場として、監督と話し合いの機会を持ち、要望を伝えることも必要だと考えています。リーダーの方針と選手の思いが一致しなければ、チームはいい方向に動きません。チームがひとつにまとまる上でも、監督としっかりコミュニケーションをとりたいものです。

 こういった戸惑いが生じるのも、新チームならではの出来事と言えるでしょう。ひとつの経験と前向きにとらえています。いつまでも悪い状態は続きません。今までも、そうでした。必ず打開策は見つかります。

 悲観的にならず、まずは自分の立場で、できることを精一杯やっていきたいと思っています。ひとりでサッカーはできません。皆で力を合わせ、開幕にはいいチームに仕上がるよう頑張っていきます。

(このコーナーは第4木曜更新です)
◎バックナンバーはこちらから