長く、スペインは「買うだけ」の国だった。 国としての経済規模はともかく、巨大なスタジアムを保有する2強には資金力があった。レアルはペレを白紙小切手で勧誘し、バルサは桁外れの移籍金でマラドーナを獲得した。 […]
わたしに娘はいないが、いたとする。年頃だったとする。ある日、「紹介したいヒトがいるの」と言われたとする。ドキッとする。「何をやっているヒトだ?」と聞いたら「サッカー」という答えが返ってきたとする。 困る […]
平沢政輝という選手を覚えていらっしゃる方がどれだけいるだろうか。88年に東海大一(現東海大静岡翔洋)を卒業した、左利きのストライカー。シュートの技術はもとより、ゴール前での異様なほどの落ち着きぶりが異彩を放つ、間違いな […]
だいぶムカつき、イライラさせられた試合だったことを白状しておく。 まずは試合前の国歌吹奏。過去、歴史的に何の因縁もなく、直近の対決で不利益を被ったわけでもないバーレーン・サポの君が代に対するブーイング。 […]
さあ、W杯最終予選である。 今大会からアジアからの本大会出場枠が8・5に増えたことで、以前よりラクな予選になるのでは、といった声もあるようだが、個人的には、日本サッカー史上最大の経験値が得られる最終予選 […]
ウソかマコトか、イタリアでは18世紀と比べても、家庭で出される食事があまり変わっていない、という話を聞いたことがある。昔も今も、主食はいつもマンマのパスタ。江戸時代とは食生活が完全に別物になってしまった日本に比べると、 […]
SVアウストリア・ザルツブルクというチームがある。オーストリア3部に所属するチームで、設立は2005年。チームが世界的大資本に買収された際、伝統やチームカラーを否定されたことに反発したサポーターたちを中心に設立された。 […]
フランスに本社を構える米国資本のスポーツ専門放送局「ユーロスポーツ」が制作したパリ五輪の記念ポスターが、何やら物議を醸しているらしい。取り上げられたスターたちの中に、金メダル獲得数で2位、3位に入った中国、日本の選手が […]
パリ五輪女子サッカー決勝のカードが、ブラジル対米国に決まった。米国の決勝進出はともかく、ブラジルが準決勝でスペインを粉砕したのには驚かされた。 ブラジルは、決勝トーナメントに入ってからの2試合を、大黒柱 […]
戦いを前に、自らの勝利を願わないアスリートはいない。と同時に、敗北の可能性に思いを馳せないアスリートもいない。戦う以上は、勝つことがあれば負けることもある。その前提を踏まえているからこそ、ときに訪れる苦すぎる敗北を、ア […]
サッカーとは直接関係はないが、またしても考えさせられるニュースがあった。体操・宮田選手の五輪辞退騒動である。 一報に触れ、まずわたしの頭に浮かんだのは「かわいそうに」だった。「たかが」喫煙や飲酒で、一生 […]
まずは前日飛び込んできた衝撃のニュースについて。事実ならば、彼のサッカー人生はほぼ終わったというしかない。仮に本人が続行を望んだとしても、サッカー界として断じて許さないという姿勢を見せる必要もある。ただ、事実かどうか判 […]
サッカーには、時が経たなければ見えてこないものがある。 70年W杯でピークを迎えたブラジルの時代、魔術師たちの時代は、74年、オランダとクライフの出現によって終わった。サッカーは、武将たちの一騎打ちから […]
まずは先週木曜日に決まったW杯アジア最終予選の組み合わせについて。 どこも簡単な相手ではないし、特に、インドネシアには国としての勢いを感じる。序盤戦でひとつでも番狂わせを演じるようなことがあると、そのま […]
先週末、度肝を抜かれるゴールがJリーグであった。浦和対鹿島。1-2で迎えたアディショナルタイム。敵陣左サイドの深い位置でFKを得た浦和は、ほぼ全員がペナルティーエリアに入り、もちろん、鹿島もそれに対応する。キッカーは武 […]
アフリク・ツベイバという名前をどれだけの方が覚えていらっしゃるだろうか。80年代後半から90年代にかけてのソ連、旧CIS(独立国家共同体)代表にして、ガンバ大阪のセンターバック。知名度では同時期に所属していたアレイニコ […]
三笘薫が、タイ・リーグワンのチョンブリに移籍する……なんてことになったら、ファンはどのような反応を示すだろうか。 チョンブリのファンが喜ぶのは間違いない。W杯でも活躍した、アジアを代表する選手の一人が、首都 […]
クラブ史上初のACL制覇を目指した横浜F・マリノスの夢が散った。刀折れ矢尽き、としか表現のしようがない、壮絶な轟沈だった。 ただ、試合内容、結果以上に衝撃的だったのは、ハッザ・ビン・ザイード・スタジアムの雰 […]
30年前の5月18日、アテネで行われた欧州チャンピオンズリーグ決勝で、バルセロナはACミランに0-4で敗れた。バルセロナ隆盛の礎を築いたクライフにとっては、“終わりの始まり”とも言うべき衝撃的な惨敗だった。 […]
韓国に衝撃が走っている。男子サッカーがパリ行きの切符を取り逃しただけでなく、女子のサッカー、男女のバスケットもバレーも、ことごとくアジアの壁を突破できなかった。結局、パリ行きが決まった球技は女子ハンドボールのみ。パリに […]
28年前、日本は28年ぶりの五輪出場を果たした。あのとき、銅メダルを獲得した68年メキシコ五輪のことを、ほとんど江戸時代の出来事のように感じていたわたしには、いまの若い世代にアトランタ五輪の重要性を説いたところで、響く […]
日本の23歳以下代表が、無事にパリ五輪出場権を勝ち取った。まずは、大変な重圧の中、目標を達成したチームに賛辞を贈りたい。 1次リーグで韓国に敗れたことで、一時は予選突破自体を危惧する声もあった。大岩監督に対 […]
パリ五輪を目指す23歳以下日本代表の前途が、怪しくなってきている。カタールかインドネシアか。準々決勝の相手を選択することになる1次リーグ最終戦で、韓国に敗れた日本は開催国カタールとの対戦が決まった。 敗れた […]
前半の早い段階で退場者を出し、絶体絶命の状況に追い込まれた日本を救ったのが、GK小久保だったことに疑いの余地はない。特に、後半開始早々に訪れた1対1でのストップは、まさにビッグセーブだった。彼の活躍なくして、この勝利は […]
サッカーだけは大丈夫、と無邪気に信じていた時代があった。 72年のミュンヘン五輪。パレスチナ過激派のテロにより、イスラエルの選手11人が殺害された。2年後、W杯西ドイツ大会でテロは起きなかった。 […]