久々の出場、そして久々の勝利でした。前節(13日)の京都サンガF.C.戦は2-1。ホームで約1カ月半ぶりの勝ち点3をあげることができました。

 僕にとってもゴールデンウィークのジェフユナイテッド千葉戦以来の出場。約1カ月、試合には出られていなかったとはいえ、トレーニングはしっかりできていましたし、コンディションは常に好調を保っていました。

 ピッチに入ったのは2-0とリードした後半25分。勝っている展開だけに、バルバリッチ監督からはしっかりブロックをつくって守り、相手のボールを前線で奪うように指示を受けました。

 チームとして守備を徹底するのは当然として、チャンスがあれば絶対にゴールを決める。強い気持ちでプレーしましたが、僕が入って京都に1点を返されたのは非常に悔しいです。

 攻撃での狙いはゴール前でのルーズボール。前半から、こぼれ球が目立っていたため、僕はそれを狙っていました。しかし、空中戦では思うように主導権を握れず、ボールも収まりませんでした。イメージしていた動きができず、個人的にはとても残念です。

 生きていく上で理想と現実のギャップは常についてまわります。サッカーでもこうしたいと考えているプレーと、実際にできるプレーは異なるものです。だからと言って理想のプレーを追い求めなくていいわけではありません。

 「こうやってゴールを決めるんだ」という強い意志を持って試合に臨むのと、そうでないのとでは、結果は違ってくると僕は考えています。その意味ではイメージトレーニングも大事な練習のひとつと言えるでしょう。

 現在、開催されているEUROは、僕のプレーのイメージを膨らませてくれる絶好のイベントです。国の威信をかけた4年の1度の大会ですから、どの試合も本当におもしろい。どのチームも実力が伯仲していますし、ある意味、W杯以上に激しい戦いと言っていいでしょう。

 先日のウクライナ-スウェーデン戦ではウクライナのFWアンドリー・シェフチェンコが2ゴールをあげました。シェフチェンコとは年齢が近いだけに、その活躍は大いに刺激を受けています。

 彼は今大会限りでの引退を発表していますが、最後の舞台でピークを合わせてくるところに真のプロフェッショナリズムを見ました。確かに全盛期と比較すれば、運動量や体のキレはないかもしれません。しかし、長年の経験から勝負どころを見極める判断力、チャンスを逃さない高い技術は若い選手を上回っています。

 シェフチェンコの姿を見て、僕も改めて学ぶ部分がありました。あとはそれをどれだけ実際のプレーに反映させるか。理想を現実に近づけるべく、日々のトレーニングを今まで以上に頑張りたいと思っています。

 次節(17日)はいよいよ四国ダービー(対徳島ヴォルティス)です。前節で出場停止だったメンバーも戻ってきますし、チームとしてはいい状態で決戦を迎えられます。

 今回のダービーは夏場の戦いに向けて重要な一戦です。京都戦の勝利で愛媛は9位に浮上したものの、8位以上のクラブとは少し離されています。上位に追いつくには連勝で勝ち点を伸ばすことが重要です。

 中3日と体力的には厳しいですが、そこは総力戦。僕もチームの力となり、今季初ゴールを決められるよう、最高の準備をするつもりです。

 独特の雰囲気であるダービーを制するには、選手の力に加え、サポーターの皆さんの後押しも不可欠になります。アウェーではありますが、ぜひ徳島に負けない声援を僕たちに送っていただければうれしいです。

 最後は全員で笑って愛媛に帰る。それだけを信じて一丸となって戦いましょう! 応援よろしくお願いします。 

(この連載は毎月第2、4木曜更新です)


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