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(写真:久々の国体で躍動した部員たち)

 ダイキ弓道部にとって2015年は「飛躍の1年」となった。

 四国ブロック予選を総合トップで突破して、6年ぶりとなった国体出場。北風磨理、玉木里奈、山内絵里加の3選手が愛媛県成年女子代表として臨んだ9月の「紀の国わかやま国体」では、遠的で3位という好成績を収めた。勢いに乗って出場した11月の「全日本実業団大会・全日本実業団遠的大会」でも近的女子の部で団体優勝を果たし、遠的団体戦、産業別戦で準優勝。個人の部でも近的女子の部で玉木が2位に入賞し、遠的女子の部で山内が2位、玉木が3位に入賞した。

 

 久しぶりの大舞台を、彼女たちは一丸となって戦った。

「国体では近的のほうであと一歩及びませんでしたが、遠的では3人でカバーしあいながら戦うことができたと思っています」

 こう振り返るのは北風主将。的中制となる近的の予選は24射15中にとどまり、予選落ち。しかしながら得点制の遠的は3人トータル129点で予選を突破すると、決勝トーナメントでは隣県の徳島に60-57の僅差で勝利をものにして準決勝に駒を進めた。

 

 ここでは3人のなかでトップの26点を叩き出した玉木の健闘ぶりが光っている。準決勝では三重に66-69で敗れたとはいえ、今度は北風が28点、山内が23点と引っ張った。3人のチームワークが3位という結果をもたらしたと言える。

 

 自身、8年ぶりの国体出場となった山内は「予選、決勝トーナメントと進むにつれて調子が上がっていったというよりは、練習の調子に近づいていったような感じでした」と語る。四国ブロック予選以降も1日60本程度、仕事が休みの日は80本ほどと、しっかりと練習を積んできた自負もあった。入社2年目の玉木も「数をこなしてきましたし、遠的は通い詰めて練習を積んできました。自信になっていました」と“成果”を強調した。

 

 3、4位決定戦で宮城に34-25で快勝しての勝利。チームワークと練習量でつかんだ3位を喜びながらも、“もっと上に行けた”というのが彼女たちの本音である。

「近的のほうも決勝に残れるだけの力があったのに、という思いもあります。後で考えてみると、6年間、国体に出られていなかったので、出たことで安心してしまっていたのかもしれないと思いました」(北風)

 

「8年前も遠的で入賞して、近的が予選落ちという結果だったので、やっぱりもうちょっと頑張らないといけないと感じました。(遠的の準決勝では)3人とも1本ずつ外してしまって、それを当てて点数を獲得できていればもっと上に行けたのかもしれません。3位になったのは良かったと思いますが、悔いは残りました」(山内)

 

「カバーしあっているのは間違いないんですが、逆に言うと、足並みがそろっていない。誰かしらが良くて、誰かしらが悪いというのも練習のままでした」(玉木)

 

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(写真:昨年の全日本実業団の成績を上回り、確かなレベルアップを示した)

 得た自信と、残ったモヤモヤ感。

 国体で得たものを、彼女たちは東京・明治神宮武道場至誠館で行われた全日本実業団にぶつけていく。岡本豊未、山下花凛を加えた5人のダイキ弓道部は近的女子団体で90点という高得点で優勝を飾った(2位の横河電機Bは61点)。

 

 主将の北風は言う。

「90点はなかなか出せない数字。若い選手たちが育ってきて、みんなが力を出せたと思います」

 個人戦でも山内は遠的で25点を叩き出しての2位。上位2人が同点だったため、クジ引きで1位を逃がしたのは不運だった。だが本人は「25点は良かったとしても、やっぱり的の真ん中に当てなきゃいけないということ」と、自分の足りない部分に目を向けようとしていた。

 

 また、この大会で絶好調だったのが玉木である。近的女子団体で27点を獲得してけん引役となるとともに、個人戦でも近的で2位、遠的で3位となった。

「国体が終わったあとに右ひじを痛めてしまったんですが、それで(弓の)引き方を意識したというのもあります。ケガのことがあったので国体の後も気持ちを切らすことなく、この大会に臨めたのが大きかったですね」

 

 年内の大会スケジュールは12月に高知で開催される西四国弓道錬成大会で終了する。

 北風主将は視線を先に向ける。

「6年ぶりに国体に出場でき、3位という結果も残りました。飛躍の年になったと思っています。2年後の愛媛国体に向けて、もっともっと良くなっていけるよう、部員一同頑張っていきたい」

 

 今年、「ホップ」に成功した意味は大きい。

 2016年で「ステップ」を踏み、そして2017年の「愛顔(えがお)つなぐ、えひめ国体」で「ジャンプ」できるように。ダイキ弓道部のチャレンジは続く――。

 

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関連リンク>>公益財団法人 大亀スポーツ振興財団

 

(このコーナーでは2017年の「愛顔つなぐ えひめ国体」に向けた愛媛県やダイキのスポーツ活動について、毎月1回レポートします)


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