冬本番を前に、山本化学工業では2つの商品を本格展開している。「バイオラバーゼロベスト」と「バイオラバーゼロベルト」だ。同社が着目するのは「骨格のひずみ」。健康を維持する上で、「骨格を正しい位置に整える」ことが重要なポイントだととらえている。そのために生み出されたのが、今回の2つのアイテムだ。

 

 

「日本では体のケアや健康も含めて、医学に頼りがちです。しかし、欧米では通常、ホームドクターと呼ばれる存在が2人います。ひとりはお医者さん、もうひとりは解剖学に基づいたカイロプラティックの先生です。お医者さんに体の健康管理をお願いし、カイロプラクターには“骨格のゆがみ”をチェックしてもらっているのです」

 山本富造社長は日本と欧米との健康に対する意識の違いを、そう指摘する。

 

「骨格のゆがみは、体全体のひずみにつながる。それが体調不良を引き起こす原因となるのです。日本では、これを予防する観点があまり重視されていないのではないでしょうか」

 

 山本化学工業では、これまで主にアスリートを対象として、骨格のズレを修正することでパフォーマンスをアップさせる「ゼロポジション水着」や「ゼロポジションベルト」を開発、販売してきた。これと赤外線を放射して体を内部から温める「バイオラバー」を組み合わせることで、体をセルフケアするグッズとして打ち出そうと山本社長は考えている。

 

 まず、バイオラバーゼロベストが対象とするのは上半身。肋骨、肩甲骨のひずみだ。

「齢をとって四十肩や五十肩といった症状が起きるのは、肋骨、肩甲骨がゆがみ、加齢とともに沈んでしまうからです。骨格がひずむと、内臓の位置にも影響を及ぼします。つまり、体調不良の一因となりうるのです」

 

 肋骨や肩甲骨のズレをチェックする方法として、山本社長は2つの方法を提唱する。

・肩甲骨に手のひらを当て、左右どちらかが出っ張っていないかを確認する。肩甲骨の出ている方の肋骨は後ろ側に引っ張られているため、深呼吸をした際に100%近くまで空気を吸えない。

 

・肩甲骨の最下部を見て、左右のどちらかが下がっていないかを確認する。日頃の生活でショルダーバックなどが肩からずれ落ちる場合も、その方向の肩甲骨がゆがんで下がっている傾向がある。

 

「この2点でゆがみが分かる方は鎖骨下の体の中心に近い部分を押さえると、どちらかに多少の痛みを感じる場合が多いですね」

 バイオラバーゼロベストには、肋骨を下から支えるバイオラバーバンドが腰の後ろから脇腹にかけて装着されている。このバンドはマジックテープによる調整が可能で、腰に沿わせて1~3センチほど前に引っ張ってセットする。そしてベストを着用する。

 

 その上で骨格を矯正する簡単な運動を行うのだ。山本社長が提案するのは、次のようなものだ。

・両腕をまっすぐ上に上げてバンザイする、通常は内側を向いている手のひらを前に向ける。そのままで腕の上下運動を10~30回実行する。腕が肩よりも上に上がりにくい場合は、最初は肩の高さまででも構わない。これにより、左右の肩甲骨の間の筋肉を動かす。

 

・肩の高さに腕を前に上げて、手のひらを上に向ける。そのまま、肘を背中側に引きつける。次は胸の高さに腕を上げて同じ動作をする。その次は腰の高さで繰り返す。これらを各10~30回程度、実施する。

 

・左右の腕を体の前に伸ばす。そして左右の手の間を見たまま、上半身全体を右側に旋回する。同様に左側へ旋回させる。左右のどちらが回りやすいかを確認して、まわりやすい方のみ10回程度、上半身をひねる。

 

「バイオラバーが発する赤外線で血流は良くなり、筋肉は温まりますから、これらの運動を続けているとセットしたベルトが肋骨を正しい位置に押し上げ、自ずと上半身の骨格的なゆがみを整えることが可能になります」

 日常生活の中で、知らず知らずのうちに骨格は左右前後のバランスを崩している。それらを正常な状態に戻す。これがバイオラバーゼロベストの大きな目的だ。

 

 続いてはバイオラバーゼロベルト。こちらは下半身、主に骨盤、仙骨のズレを改善する。まずは、これらのゆがみを自身で調べてみよう。山本社長が勧めるのは以下の方法だ。

・床に仰向けに寝て、左右の足のかかとをつけ、全身の力をすべて抜く。足の親指が体の中心線を0度とした際、左右の足先がどのくらい傾いているかをチェックする(日本人はO脚の傾向が強いため、平均は20~30度の開きがある。O脚でなければ20度までが正常値)。

 

・立つか椅子に座った状態で膝を上げる。高く上がるか、左右が同じ位置まで上がっているかを確認する。左右の膝の上がり方が異なると歩幅にも違いができ、体重も均一にかからない。

 

 バイオラバーゼロベルトには、ベスト同様、マジックテープで調整可能なバイオラバーバンドがついている。左右の足の親指の開き具合に合わせ、開きが大きい方のバンドを前面側に1~3センチ引っ張ってセットする。強く引っ張り過ぎると、体が反発するため、無理に締めつける必要はない。そして、ベルトをウエストと骨盤の上あたりでズレ落ちない程度に巻いて装着した後、骨盤の位置まで下げる。

 

 このベルトを巻いた状態で次のような運動を行う。

・立った状態、または椅子に座った体勢で膝を床と平行になる位置まで上げる。これを10~30回程度、毎日実行する。

 

・歩行時に、足の親指を進行方向に真っすぐ出して歩くことを意識する。

 

「これらを行っていると、だんだん膝の上がり方が改善され、太ももの内側の筋肉を中心に使えるようになります。腰痛や坐骨神経痛を引き起こすのは、骨盤や仙骨の角度がずれたり、垂れ下がっているから。ちょっとした努力で骨盤と仙骨が筋肉で支えられて正しい位置に戻り、0脚も矯正されていきます」

 

 バイオラバーゼロベストもバイオラバーゼロベルトも、軽量につくられており、日常的に装着していても不快感はない。ゆっくりと無理なく、骨格のゆがみを正常化へと導くというわけだ。

 

「熊本と鹿児島で2日間、実際に約300名の方に体感していただく機会を設けたところ、皆さん“体がスッキリした”と好評でした。お医者さんに頼りきりになるのではなく、セルフケアで健康をキープする。骨盤のゆがみ解消が、その一助となることを若い方から高齢者まで広く知ってもらいたいですね」

 

 山本化学工業では、今後も体験イベントを全国で開催する予定だ。骨格から人々を元気に――。願いを現実のものとすべく、同社は第一歩を踏み出した。

 

 山本化学工業株式会社

YC_banner250_A[1]