みなさん、こんにちは。

 香港も冬を迎えています。つい最近の日中の気温は11度とまずまず寒かったのですが、きょう(23日)は22度ぐらいあって湿度も90%ありました。これも異常気象の影響なのでしょうか。でも寒暖差に負けず、僕としてはいいコンディションを保つことができています。

 

 今季の香港プレミアリーグが開幕して3カ月が経ちました。僕が所属するドリームメトロギャラリーは何とか上位に食い込めてはいるものの(23日時点で4位)、試合内容を見ればまだまだ物足りません。

 

 13日には強豪のサウスチャイナとアウェーで対戦しました。優勝争いをしていくには最低でも引き分けで終わらせなければならない試合。前半を0-0で終えたのはプランどおりでしたが、後半13分に先制点を与えてしまうと合計4点も奪われました。レフェリーのジャッジに対してチームメイトがストレスを感じてしまい、試合に集中するよりもレフェリングに気を取られてしまっていました。若いチームゆえの経験の未熟さが出てしまったような印象です。それも実力と言えばそれまでですが、自滅した形で負けてしまったのが残念でした。

 

 ドリームメトロギャラリーがプロ1年目の選手が何人もいる経験の浅いチームであるのに対し、サウスチャイナは場慣れしている経験豊富な選手が集まっているチーム。その差がはっきり出てしまったなと感じました。

 

 僕自身、90分フル出場しましたが、ゴールを決めることができませんでした。チームにはしっかりポゼッションしながら戦っていこうというコンセプトがあります。ポストプレーなどでパスワークにかかわることがうまくいったとしても、それはあくまでゴールを取るためのプロセスの一つにしか過ぎません。ゴールを取ることを研ぎ澄ましていくというか、そこに執着心を持つことがチームのためになると思っています。

 

 2015年を振り返ってみると、いい意味で安定していない1年でした。

 昨年の今ごろは1ゴールしか取れていなくて、とても辛かった。それが新年に入ってからゴールを量産することができるようになったんです。“残り少ない現役生活なんだから悔いなくやっていこう”と、もう一度気持ちを引き締め直したうえで、2ケタ得点という結果を残すことができました。

 

 シーズンが終わったら、今度は所属先がなかなか決まらなくて時間が掛かりました。本当に最後の最後で、このドリームメトロギャラリーに決まったわけです。1年のなかでも山あり谷ありというか、僕のサッカー人生において安定ってないんだなとつくづく感じました。でもそれが僕らしいなとも思います。

 

 何かにトライし続けること、チャレンジし続けることで、自分をキープしているという感覚が僕のなかにはあります。

 飛行機にたとえると分かりやすいかもしれません。遠くからだとゆっくり動いているように見えますが、実は凄い勢いで飛んでいる。自分もそうだと思っています。少しでも気が緩むと飛ぶことができなくなる。だからこそ僕は常に気を張って、自分と戦っていかなければと思っています。38歳になった今も、その部分は変わりません。

 

 今年は25日にSapling CupのWong Tai Sin戦を終えると、1月9日のリーグ戦まで2週間ほど空きます。

 

 この期間で何ができるか。取り組みたいのは、体のバランスの矯正です。パスやシュートに感覚のズレがあって、微調整が必要だな、と。表現するなら股関節のネジがちょっと緩んでいるところを、トレーニングして締め直す作業という感じでしょうか。香港では旧正月を大切にするので、昨年も元旦は普通に練習をやっていました。だから僕も日本の年末年始という感じではなく、その間にトレーニングを積みたいと考えています。

 

 ただ、クリスマスは日本も香港も同じです。町のライトアップは華やかですし、お菓子業界のイベントも事欠きません。家族も自分たちで料理を持ち寄ってクリスマスパーティーに参加したりしています。僕は試合があるので、クリスマス気分というわけにはいきませんが(笑)。

 

 さて、2016年が始まります。

 僕にとっては常にトライする、常にチャレンジする気持ちに変わりはありません。後悔がないように日々を過ごしていきたいと考えています。また、若いチームをしっかり支えつつ、自分としてはゴールという結果にやっぱりこだわりたいですね。先ほど飛行機の話をしましたが、常に動き続けていきたい。

 

 そしてこれまで以上に、一人の人間としていかに社会貢献をしていくかということも考えていきたいですね。香港に来て4年目に入ります。香港リーグでプレーする日本人選手として、日中友好で何か少しでも役に立つことができればいいかなと思っています。

 

 みなさんにとっても2016年がいい年でありますように。香港の地から、そう願っています。


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