後期が始まり1カ月が経ちました。8月終了時点で、香川オリーブガイナーズは首位に0.5ゲーム差で3位につけています。後期は4番・宗雪将司の故障離脱もあり、チャンスでなかなか得点を奪えない分、投手陣が非常に頑張ってくれています。

 

 先発ピッチャーたちはもちろんですが、リリーフ陣の活躍が目立ちます。3年目の太田圭をはじめ、チーム最多の11セーブを記録している岸本淳季、そして後期開幕前に入団した元横浜DeNAの冨田康祐。僕らは彼らが打たれたら仕方ないと思ってマウンドに送っていますが、非常に安定したピッチングでチームの勝利に貢献してくれています。接戦をモノにできるのは、リリーフたちのおかげです。

 

 先発は原田宥希、竹田隼人、石田哲也、ウェスリー・エドワーズに加えて、前期は主にリリーフ登板が多かった間曽晃平もローテーションに入れました。先発の枚数が足りないので、間曽は中継ぎと先発のフル回転で頑張ってもらいたいと思っています。

 

 特に2年目の原田はもっと安定感を増して、リリーフ陣を助けて欲しいです。原田は8月28日の福岡ソフトバンク戦で松坂大輔と投げ合いました。この日は雨が降っていてマウンドの状態が非常に悪かった。そんなグラウンドコンディションの中、原田は初回に先頭打者に四球を与え、早々に2点を失いました。スムーズな立ち上がりをしていれば、本来の投球ができていたと思うので、そのあたりが彼の課題でしょうね。

 

 この試合は、ガイナーズがソフトバンク杯の優勝に王手を懸けて臨んだ大一番でもありました。できるだけ原田には長いイニングを投げてもらいたかったのですが、チームが勝利することを優先して3回で降板させました。しかし、リリーフ陣も打たれてしまい、思惑通りにいかず、降雨による7回表2死コールドで0-5の完封負けに終わりました。

 

 ソフトバンク杯の優勝は他チームの結果次第となりましたが、松坂と対戦できたことは選手たちにとって非常に貴重な経験になりました。現在、3軍で調整中の松坂は、ストレートも140キロ以上出ていましたし、チェンジアップやスライダーも良かったです。唯一、松坂からヒットを打った沢坂弘樹は今後の自信に繋がったと思います。

 

 コツコツと繋ぐスタイルで戦う

 後期は4番を固定せずに、板倉寛樹、古川大珠、松澤裕介など、その都度状態のいい選手を据えています。4番は打線の中で軸になるポジションなので、本来であれば固定したいところですが、そう簡単にはいきません。

 

 NPBに目をやっても、4番を固定するのになかなか苦労していますね。例えば、巨人は今季の4番にギャレット・ジョーンズ、長野久義、阿部慎之助など4選手も据えています。アイランドリーグは、NPBのようにバンバン選手補強ができないので、今いるメンバーの中でやりくりするしかありません。

 

 松澤がもう少し状態を上げられれば、4番で使い続けられそうなので、終盤に向けて本来のバッディングを取り戻してくれることを期待しています。ガイナーズにはホームランで試合を引っくり返せる選手がいないので、一発長打を求めるよりも全員でコツコツと塁に出て、ヒットで繋いでいくスタイルで戦い抜いていきます。

 

 さて、9月に入り、いよいよペナントレースが佳境を迎えます。この先は連敗すれば優勝争いから脱落していきますし、連勝すれば優勝に近付いていけるでしょう。残り12試合、優勝を目指すために選手たちは野球人生を懸ける覚悟で、一戦一戦を戦い抜いて欲しいと思います。

 

 古巣のカープはリーグ優勝目前ということで、広島の街はおおいに盛り上がっているみたいです。地元カープファンの前で胴上げができればベストだと思うので、6日から始まる中日との3連戦で決まれば嬉しいですね。25年ぶりの歓喜の瞬間が待ち遠しいです。

 

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