16日、第90回記念選抜高校野球大会の組み合わせ抽選会が大阪市で行なわれ、36校の対戦相手が決まった。史上3校目の春連覇を目指す優勝候補筆頭の大阪桐蔭(大阪)は、第4日の第2試合で、春夏通じて初出場(21世紀枠)の伊万里(佐賀)と対戦する。


 注目のカードは、3日目の第1試合、昨秋の明治神宮大会を制した明徳義塾(高知)と、関東王者・中央学院(千葉)の対戦だ。両校は明治神宮大会の準々決勝でも顔を合わせており、明徳義塾が5対3と勝利した。今回はその再戦ということになる。

 

 18度目の出場で選抜初制覇を狙う明徳義塾は、名将・馬淵史郎監督が「明徳史上最高の投手」(スポーツニッポン、2018年1月26日付)と評するエース・市川悠太を擁する。右サイドハンドから抜群のキレを誇るストレートを投げ込む市川は、昨秋の公式戦10試合を全て1人で投げ切るなど、スタミナも豊富だ。打線では高校通算23本塁打の主砲・谷合悠斗がどっかりと4番に座る。左の好打者が多いだけに、右の谷合がいることで打線に厚みが増す。毎年好チームを作り上げる明徳義塾だが、今年は投打の軸が特にしっかりとしている。甲子園通算50勝にあと1勝と迫る馬淵監督も「春に全身全霊をかけている」と鼻息は荒い。


 一方、春夏通じて初出場の中央学院には「エースで4番」の大谷拓海がいる。投げては最速145キロを誇る本格派右腕で、打っては高校通算25本塁打の左の長距離砲。ピッチャーではダルビッシュ有(カブス)、バッターでは柳田悠岐(福岡ソフトバンク)を目標としており、投打で圧倒的な力を持つ。明治神宮大会は市川からレフトスタンドへ本塁打を放っていることもあり、「打倒明徳」へ燃えていることだろう。


 注目選手としては瀬戸内(広島)の門叶直己をあげたい。身長183センチ、体重90キロの堂々とした体格から放たれる打球は一級品。昨秋の中国大会で1試合4本塁打をマークし、一躍その名を全国に轟かせた右の大砲だ。昨夏の甲子園では広陵(広島)の中村奨成(広島カープ)が1大会個人最多となる6本塁打を放ったが、門叶は「広島の打者は中村さんだけじゃないところを見せつけたい」と意気込む。“瀬戸のジャンボ”が選抜の舞台でどんなバッティングを見せるかに期待が集まる。


 今大会は第90回の記念大会として、36校が紫紺の大旗を目指して争う。開会式での選手宣誓は、瀬戸内の主将・新保利於が務めることに決まった。23日、東筑(福井)と聖光学院(福島)の開幕戦を皮切りに、13日間にわたる熱戦がいよいよ幕を開ける。

 組み合わせは以下の通り。

<第1日>
東筑(福岡)− 聖光学院(福島)
英明(香川)− 国学院栃木(栃木)
明秀日立(茨城)− 瀬戸内(広島)

<第2日>
由利工(秋田)− 日大三(東京)
静岡(静岡)− 駒大苫小牧(北海道)
日本航空石川(石川)− 膳所(滋賀)

<第3日>
明徳義塾(高知)− 中央学院(千葉)
富山商(富山)− 智弁和歌山(和歌山)
智弁学園(奈良)− 日大山形(山形)

<第4日>
下関国際(山口)− 創成館(長崎)
大阪桐蔭(大阪)− 伊万里(佐賀)
花巻東(岩手)− 東邦(愛知)

<第5日>
第1日第1試合勝者− 東海大相模(神奈川)
第1日第2試合勝者− 延岡学園(宮崎)
第1日第3試合勝者− 高知(高知)

<第6日>
彦根東(滋賀)− 慶応(神奈川)
乙訓(京都)- おかやま山陽(岡山)
松山聖陵(愛媛)- 近江(滋賀)

<第7日>
星稜(石川)- 富島(宮崎)
第2日第1試合勝者- 三重(三重)