Vol2.ダイジェストトーク 大畑大介「日本代表は3勝がマスト」
二宮清純スペシャルトーク「ハッピーアワー@HUB」第2回が、9月15日、元ラグビー日本代表の大畑大介氏をゲストに迎えて開催された。今回は「ラグビーワールドカップ1年前SP」と題して、1年後に迫ったワールドカップ日本大会の展望、そして前回大会で大金星をあげた日本代表への期待などで大いに盛り上がった。
トークショー当日、雨の中を熱心なラグビーファンが大勢詰めかけ、開演の12時30分までに英国風パブ「HUB」新宿区役所通り店の店内は約50人の参加者で埋まった。それぞれテーブルには好みのビールやカクテル、ソフトドリンク、そしてHUB名物のフィッシュ&チップスなどが並び、準備万端。拍手の中、この日の主役・大畑氏が舞台に登場した。
ここで大畑氏はいきなり「いやー、実は僕も昔、ちょっとラグビーをやってたんですよ」と軽いジャブで客席を笑わせ、HUBスペシャルトーク恒例の「カンショー!」の発声でトークショーはスタートした。ちなみにこの発声は第1回のゲスト・セルジオ越後氏の「乾杯は完敗につながるから、完勝=カンショーにしましょう」という提案から始まったものだ。
トークショー前日に来日初出場を果たした元ニュージーランド代表で世界的スーパースターのダン・カーターの話題から始まり、日本代表前HCエディー・ジョーンズの思い出、ワールドカップでの日本代表の目標、ワールドカップ予想など、次から次にラグビートークが繰り広げられた。
大畑氏、二宮ともにワールドカップ・ワールドワイドパートナーのハイネケンを飲みつつ、お客さんもグラスを傾け、土曜日の昼下がり、ほろ酔い気分でラグビー談義に花が咲いた。
トークショー締め括りの「質問コーナー」では、「もしかしてジャーナリストの人が紛れ込んでますか(笑)」と大畑氏がひるむような鋭い質問も飛び出し、ハーフタイムを含めて約90分、トークショーは大盛況のうちに幕を閉じた。
「ハッピーアワー@HUB」は現場優先の”ここだけの話”が基本コンセプトだが、当日の模様の一部を以下、ダイジェストでお届けしよう。
W杯予想。日本、そして優勝国は?
二宮「日本代表は予選プールA、アイルランド、スコットランド、ロシア、サモアと同組です。19年9月20日、開幕のロシア戦からアイルランド戦、サモア戦、スコットランド戦と続きます」
大畑「開幕のロシアには余裕で勝ってもらわないと困ります。圧勝してもらわないと。そしてアイルランド戦はチャレンジ。今、世界で一番調子の波が少ないのがアイルランドで、はっきり言って強敵です。その後が中6日でサモア戦。日本は今回、インターバルが6日間、7日間とスケジュールに恵まれました。ポイントになる予選最終戦のスコットランド戦、相手は中3日ですからね」
二宮「中3日はキツイでしょう」
大畑「僕も03年、オーストラリアW杯で中3日を経験しましたが、ハンパじゃなくつらかった。最後は自分の体が言うことをきかない、足が動かない状態でした。今回はコンディショニングという面で問題ありませんから、スコットランド戦に勝ち、3勝してベスト8に進んでほしいですね」
二宮「優勝国は?」
大畑「うーん、やっぱりニュージーランドですかね。対抗はアイルランド。そしてイングランドがどこまで復調したかが見てみたい」
前回大会躍進の秘密
二宮「それにしても前回、イングランド大会の南アフリカ戦の逆転勝利は驚きました。今も語り草です」
大畑「誰も勝つと思ってなかったですからね。僕だってそうです。ただひとり、監督のエディー・ジョーンズだけが”勝つ”と言っていました」
二宮「エディーHCは非常にストイックで厳しい監督でした」
大畑「エディー・ジャパンの選手、スタッフの誰に聞いても、”もうエディーとは仕事したくない”と言いますよ(笑)。厳しさもあるし、あるスタッフは”自分たちにもハードな仕事を課すけど、エディーはそれ以上のことをやっている。あれはすごい”と。他人にも、己にも厳しい人だから、周りは大変ですよ」
二宮「彼だから南アに勝ち、そして3勝をあげられた?」
大畑「あのとき、大会前の8月にエディーが”W杯が終わったら日本代表を去る”と発表したでしょう。あれが良かったんですよ」
二宮「と、いうと?」
大畑「もし退任発表がないまま本大会に入っていたら、選手は”もしかして、また4年エディーとやるんか?””勘弁してくれや”と、テンションが上がらなかったはず(笑)。8月に退任発表したことで、”よっしゃ、これで最後や”と意気が上がったんじゃないですかね。僕はそう想像しています」
二宮「アハハ、どれだけ厳しかったかよくわかりますね」
ゲストの大畑氏、そして参加した皆さんのおかげで「W杯1年前SP」は盛況のうちに終了した。二宮清純スペシャルトーク「ハッピーアワー@HUB」、次回は11月下旬~12月初旬に開催予定だ。スポーツ界のレジェンドをゲストに迎えて、今度はどんな話が飛び出すかお楽しみに。ダイジェストではなくフルに楽しみたい方は会場までぜひ足を運んで下さい。
<まとめ・SC編集部西崎 写真・SC編集部 監修・二宮清純>
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