Vol4.ダイジェストトーク 大野均「打倒アイルランドの秘策」

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 二宮清純スペシャルトーク「ハッピーアワー@HUB」第4回が、3月17日、東芝ブレイブルーパスの大野均選手をゲストに迎えて行われた。ラグビーワールドカップ日本大会まで半年、そしてスーパーラグビーも開催中、さらにHUBスペシャルトークショーのゲストでは初の現役選手ということで、当日、英国風パブ「HUB」新宿区役所通り店は過去最高の60人以上の参加者で埋まった。

 

 乾杯の流儀

 それぞれのテーブルには好みのビールやカクテル、ソフトドリンク、そしてHUB名物のフィッシュ&チップスなどがズラリ。開演時間の12時30分になり、拍手の中、この日の主役・大野選手が登場した。

 

 大野選手による「ラグビー界では左手でビールグラスを持つのがマナー」とのレクチャーで、全員が「ラグビー式」で乾杯してトークショーはスタートした。大野選手はグラスを左手で持つ理由をこう説明してくれた。

 

「ラグビーでは試合後にアフターマッチファンクションといって、両チームの選手がちょっとした食事や飲み物を囲みながら親睦を深める場があります。オーストラリアやニュージーランドなど海外の人たちには左手は”不浄”という考え方が強いので、必ず右手で握手をする。ところが冷たいグラスを持っていたら右手は冷え切って、それで握手をするのも相手に失礼なことになる。海外では『バッファローのひづめみたいだ』と表現されます。だからグラスは左手で持つんです。もし右手で持っているのが見つかったら、一度グラスの中のお酒を飲み干して左手に持ち替えないといけない。だからラガーマンは皆、自然と左でグラスを持つようになっていますね」

 

 日本代表最多の98キャップの大野氏はジャパン一の酒豪としても知られている。今回のトークショーもラグビー談義の前に、まずはお酒の話で盛り上がった。

 

 W杯帰国直前の大宴会

「ジャパンで一番酒が強いのは? オレです(笑)。思い出のお酒はいっぱいありますけど、15年イングランドW杯はやはり忘れられない。南アフリカに勝ったあと、オフの日に地元のパブに行きました。軽く2、3杯飲んで帰るつもりが、店内のお客が次々に”ジャパンの大野だろ? オレのおごりだ飲め”と。気がついたら20杯くらい飲んでいました。あのワールドカップでは3勝をあげたものの、残念ながら決勝トーナメントには進めなかった。日本へ帰る前日は、みんなで夜中まで飲みました。翌日は空港へ向かうバスの中で昼間からビール、ビール、ビール! 食生活もずっとストイックだったので、その反動でハンバーガーやフライドポテトなんかを途中で買い込みました。それで食べて、飲んでと盛り上がった。あれは最高の時間でしたね」

 

 ハイネケンが注がれたグラスをグイグイとあおりながら、トークを進める大野選手。話題は当然、今年日本で開催されるワールドカップにも及んだ。ロシア、アイルランド、サモア、スコットランドと予選で戦う日本にとって、最大の壁は2戦目のアイルランドだ。大野選手は「シックスネーションズでアイルランドを下したイングランドの戦いが参考になります」と言い、こう続けた。

 

「アイルランドにはジョナサン・セクストンという世界最高のスタンドオフがいます。イングランドは80分間、彼にプレッシャーを与え続けた。それがミスを誘発して、アイルランドを思い通りにプレーさせなかったんです。ジャパンもこれをやり通すことができれば……。アイルランドだけでなく他の国との戦いも決して楽ではありません。ロシア戦は相手も当然勝ちを狙ってくるから、前半は我慢比べのような展開になるでしょう。それを凌いで後半に一気に勝負をつけたい。サモア戦は落とせない1戦なので油断することなくゲームに入り、そしてスコットランド戦は……」

 

 と、一旦言葉を切り、こう続けた。
「決戦、死闘です! とにかく勝って決勝トーナメントへ進むという状況でスコットランド戦を迎えたい」

 

 ファンサービスの真意

 トークショー後半には客席からの質問コーナーもあり、「スタメンではなくベンチに回ったときにどう気持ちを切り替えていたか?」と聞かれた大野選手は「当然、面白くないと思う気持ちもありましたが、でもそれを態度に出すのは非常にカッコ悪い。先輩たちがベンチでも試合に参加している姿勢を見せてくれていたので、そこから学んだこともあります。しかも今のラグビーは15人ではなくチーム全体で戦うようになっています。ピッチだろうとベンチだろうと、戦う姿勢には変わりはありません」と力強く言い切った。

 

 さらに「大野選手はファンサービスが丁寧なことで知られています。いつかの秩父宮では試合中に負傷し、応急処置だけした状態で延々とサインに応じていました。もう頭が下がります。なぜ、そこまでファンサービスを?」と聞かれると、「自分たち選手は毎週、試合があって、競技場に行っている。でもファンの人はその日だけしか来られない人も大勢いる。だから僕はできるだけサインや写真には応じるようにしています。それは若手選手にも伝えているし、彼らも自覚を持ってやってくれています。藤田慶和(パナソニック)も若いのにファンサービスをきちんとしているので、『若いのに偉いな』と言ったことがあります。そうしたら藤田は『はい。僕、子供のときに××選手にサインお願いしたら断られて悲しかった。だから、できるだけサインには応じています』ですって(笑)」

 

 もちろん「××選手」の部分は現場では実名トークだったことを付け加えておこう。伏せ字もなく、オフレコ満載のとっておきトークが飛び出すHUBトークショー。次回開催の折には是非、会場まで。

 

<取材・まとめ/SC編集部・西崎 写真/SC編集部 監修/二宮清純>

 

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