第103回全国高校野球選手権大会は29日、決勝戦が行われ、智弁和歌山が9対2で智弁学園(奈良)を下し、優勝を飾った。

 

8月29日(日)

 

◇決勝

 大会4試合、全て2桁安打で大旗
智弁和歌山(和歌山) 9 = 400|001|121
智弁学園(奈良) 2 = 020|000|000
本塁打(和)渡部ソロ

 

 

 兄弟校同士の決勝となったこの顔合わせは、甲子園では2002年の第84回大会の3回戦以来、19年ぶりのこと。先手をとったのは智弁和歌山。初回、1死一、三塁から4番・徳丸天晴がセンターへ犠牲フライを放ち、先制。さらに2死一、三塁から6番・渡部海がセンターへタイムリーツーベースを放ち、2対0。続く7番・高嶋奨哉のレフト前ヒットで二者が生還。智弁和歌山が4対0と初回から主導権を握った。

 

 智弁和歌山の先発は高松商戦で1球リリーフを果たした伊藤大稀。伊藤は、初回、先頭の前川右京にセンター前ヒットを打たれたものの、後続を内野ゴロに打ち取り、無失点。智弁学園の先発・西村王雅も2回以降は立ち直り、5回まで強打の智弁和歌山を3安打、無得点に抑えた。

 

 智弁学園は2回裏、1死二塁から6番・植垣洸の内野安打の間に1点を返し、1対4。4回にはセンター前ヒットと四球で無死一、二塁とチャンスをつかんだものの、智弁和歌山はここで2番手・中西聖輝にスイッチ。送りバントを決められ1死二、三塁となったものの、後続を連続三振に切り、この回も得点を許さなかった。

 

 リードする智弁和歌山は6回、1死一、三塁から1番・宮坂厚希がライト前へ弾き返し、1点を追加。さらに7回には2死一塁から7番・高嶋がこの日、2本目のタイムリーとなるツーベースを放ち、6対2。試合は智弁和歌山が4点リードで終盤に入った。智弁和歌山の中西は7回裏、ランナーを三塁まで進められるが、後続を打ち取り無得点。続く8回表、智弁和歌山は2死一、三塁から4番・徳丸がセンターオーバーのタイムリーツーベースを放ち、さらに2点を追加した。

 

 6点を追いかける智弁学園は8回裏、1死から4番・山下陽輔がレフト前ヒットで出塁したものの、5番・垪和拓海が三振、5番・植垣洸がレフトフライに打ち取られた。智弁和歌山は9回に渡部海のソロホームランで9対2とし、その裏、智弁学園の攻撃をエース中西が3人で切り、ゲームセット。智弁和歌山が21年ぶり、3回目の優勝を飾った。

 

(文/SC編集部・西崎)