NPBのキャンプが今日2月1日から始まり、ようやく野球シーズンがやってきました。我々ガイナーズも合同自主トレを開始し、本格的にチームとして動き出しました。

 

 開幕までのテーマは体力づくりと技術力向上、そして戦力の見極めです。独立リーグはNPBのように1、2軍があり、人数が豊富なわけではありません。ラグビーの大学選手権で7連覇を達成した帝京大学の岩出雅之監督も言っていたように、強いチームづくりのポイントは主力ではなく、控え選手の底上げです。練習生を含めた全選手の働きが、チームを機能させるために重要になります。

 

 まずは基本的なバットを振る力、ボールを投げる力、走る力を身につけ、1年を戦い抜く基礎を固めなくてはなりません。その上で、オープン戦などの実戦を通じて、ゲームに必要な能力を磨いてほしいと感じています。

 

 グラウンドでは新人も経験者も関係ありません。最初の評価は低くても、試合を重ねるごとに急成長を遂げる選手もいます。僕たち監督、コーチは根気よく選手のレベルアップを促し、能力を発揮する場を与えることが大事だと考えています。

 

 全員が高い目標をもって努力するには、監督、コーチだけでできることは限られています。組織の中にお手本となる存在が必要です。たとえば昨季、独立リーグ日本一に輝いた愛媛には正田樹という元NPB左腕がいました。またリーグを沸かせた元高知の藤川球児(阪神)も、若い選手にとっては良き教材となったでしょう。

 

 今季は徳島に台湾球界で初の2000本安打を達成した張泰山の入団が決定しました。実績のあるベテランの存在は大きな刺激となるはずです。アジア内でのアイランドリーグの知名度を高める上でもプラスに働くでしょう。

 

 香川にも今季はBCリーグで2年連続最多勝に輝いた間曽晃平が新潟からやってきます。27歳で現時点ではチーム最年長。本人もNPBへのラストチャンスという思いは強いに違いありません。香川では1年目ですが、名実ともに中心として若手を引っ張ってほしいものです。

 

 日本の球界を発展させるためには、もっと裾野を広げることが重要だと感じています。独立リーグは、まだまだ米国のようにビジネスになっているとは言い難い状況ですが、それでもいい人材を育て、供給する流れは、この10年でできあがってきました。

 

 選手や指導者にとって上のレベルを狙う選択肢が増えたことは喜ばしい話です。今季もアイランドリーグとBCリーグが創意工夫と切磋琢磨を重ね、球界を盛り上げていきたいと思っています。個人的には四国と北信越に、NPBの球団をひとつずつつくるくらいになるといいですね。外国人のみのチームを編成し、NPBやMLBに送りこむといった大胆な発想があっていいかもしれません。

 

 1年はあっという間に過ぎていきます。現場としては日々、新たな気持ちで臨むことが求められます。1日1日を大切に、やれることを積み重ねていく。「原点回帰」がスローガンになります。

 

 優勝を目指すのはもちろん、前期の2カ月で各自のセールスポイントを見極め、6月の北米遠征にひとりでも多くの選手をリーグ選抜チームに送りこむことが当面の目標です。リーグのトッププレーヤーが増えれば、自ずとチームも強くなり、スカウトの目にも留まるでしょう。

 

 今回、香川は選抜高校野球で高松商と小豆島の2校が選ばれ、地元の野球熱は高まっています。我々ガイナーズも香川を元気づけられるよう頑張ります!

 

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