今季のファイターズは侮れない。3年目の新庄剛志監督は「これで勝てなかったら僕の責任。最低でもプレーオフ、クライマックス(に出場する)」と、球団が開催したスペシャルパーティーで大見得を切った。

 

 

<この原稿は2024年4月15日号『週刊大衆』に掲載されたものです>

 

 新庄が監督に就任した2022年は、優勝したオリックスから16.5ゲーム差の最下位。新球場エスコンフィールドが開業した23年は、これまた優勝したオリックスから27.5ゲーム差の最下位。ここ2シーズンは“パ・リーグのお荷物”と化していた。

 

 さすがに球団も本腰を入れざるを得なくなったのだろう。今季は育成契約を含む外国人8人体制で臨む。

 

 これには驚いた。外国人を8人も雇えばカネがかかる。いくら実力社会のプロ野球とはいえ、出場機会が減った選手は首脳陣に不満を持ちかねない。

 

 それを覚悟の上で、球団は外国人8人体制に踏み切った。オリックスからFAで昨季11勝の山﨑福也も獲った。新庄が口にしたように「最低でもプレーオフ、クライマックス」が現場のノルマとなる。

 

 6人の新外国人の中でも198センチの長身右腕ドリュー・バーヘイゲンは20年と21年にファイターズでプレーし、20年には8勝をあげた実績がある。パトリック・マーフィー、アニュラス・ザバラも160キロ前後のスピードボールを誇る。台湾の19歳右腕スン・イーレイとは育成契約した。

 

 打者ではメジャー通算108本塁打のフランスミル・レイエスに大砲の期待がかかる。もうひとりのアンドリュー・スティーブンソンは非力だが、「日本向きのアベレージヒッター」と言われている。

 

 しかし、<出場選手登録(1軍登録)は4名以内に限られ、野手又は投手として同時に登録申請できるのは、それぞれ3名以内>(プロ野球協約第82条の2)となれば、問われるのは指揮官の起用法、そして優勝を見据えた上でタスクマネジメントだ。勝負のシーズンがスタートした。

 


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