(5)二宮: 今回のゲストはプロ野球解説者の野村弘樹さんです。そば焼酎『雲海』のソーダ割り「そばソーダ」を飲みながら野球談議に花を咲かせたいと思います。

野村: これは美味しい! そばの香りがいいですね。口当たりもスッキリしているので凄く飲みやすい。

 

 

二宮: 焼酎はよく飲みますか?

野村: はい。キャンプ取材で宮崎県に行くと必ず立ち寄るお店があるんです。そこには宮崎や鹿児島の珍しい焼酎が揃っているので、色々な焼酎を飲み比べして楽しんでいます。

 

 5、6番・ロペスが理想

 

二宮: 野村さんの目から見て、古巣である横浜DeNAはいかがでしょう?

野村: 現時点(5月10日)ですでに借金8なので正直言ってキツイですね。今年は戦力的に楽しみな選手が揃っていたので、DeNAがセリーグの台風の目になってくれることを期待していましたが、これだけ出遅れると厳しいと思います。だって、借金8を0にするためには、2勝1敗を8カード続けないといけないわけですからね……。

 

二宮: ピッチャーは頑張っていますよ。

野村: そうです。防御率はリーグトップの3.31。とにかく打線が打てないので、点が取れないんですよ。ドラフト1位ルーキー・今永昇太は結構いいピッチングしていますが、勝ち運に恵まれず、6試合投げてようやく1勝を挙げることができました。いくらピッチャーが頑張っても野手が点を取れないので、飼い殺しみたいになっていますよね(苦笑)。

 

二宮: 外国人バッターが欲しいですね。

野村: 一時は、昨年11月のプレミア12に米国代表として出場していた選手を獲得しようとしていましたが、その選手がメジャー契約したので白紙になりました。右打者のジェイミー・ロマックと投手のザック・ペトリックが助っ人外国人として今年から入団しましたが、なかなか彼らは才能を発揮できていませんね。

 

二宮: 4番の筒香嘉智を支えるためにも、強打の外国人打者が必要だと思います。

野村: そこなんですよ。筒香の前後が固定しなければなりません。彼ばかりに頼っていてはどうしようもないです。しかし、ようやく梶谷隆幸が怪我から復帰してチームに戻ってきたので、チームの打撃力は今よりも改善されると思います。

 

二宮: 理想の打順は「3番・梶谷、4番・筒香、5・6番・外国人」でしょうか?

野村: そうですね。ホセ・ロペスが5、6番に入れるくらいの余裕ができれば、打線に厚みが生まれます。1番は関根大気や桑原将志など、若い選手たちが頑張っているので、とにかくクリーンアップをどうにかしなければなりませんね。

 

 正反対の前田智と金本

 

(3)二宮: 今年は阪神が接戦に強い気がします。

野村: チーム全体に金本知憲新監督の気合い注入が効いているのではないでしょうか。5月1日の阪神対DeNA戦では、阪神は5点差をひっくり返して勝っていますからね。

 

二宮: やはり金本監督効果ですか?

野村: でしょうね。若い選手たちの活躍が1年間続くとは考えにくいですけど、今年の阪神には力強さを感じます。

 

二宮: 野村さんは現役時代に金本監督と対戦していますが、どんな印象をお持ちですか?

野村: 金本さんは通算476本塁打を記録していますが、長距離のイメージがないんです。僕は技巧派ピッチャーなので、どちらかというと金本監督とは騙し合いと読み合いでした。-良いところに投げてもしっかりと捉えられていた。金本さんは嫌なバッターの1人でしたよ。

 

二宮: 同じ広島でも金本監督が山張り系なら、前田智徳さんは“来たボールを打つ”というイメージでした。

野村: 前田はちょっと天才系ですからね(笑)。僕が一番嫌なバッターは前田でした。だけど、一番打ち取りやすいバッターでもありました。

 

二宮: へぇ、それはおもしろい!

野村: だって4点差ゲームの終盤にスライダーを投げると、コツンと打ってセカンドゴロですから。ただし、僅差の試合でランナーがいる時はホントに嫌でした。

 

二宮: 彼との対決で一番印象に残っているシーンは?

野村: 忘れもしないのが、僕がまだ元気でスピードもそこそこ出始めた頃。インハイのストレートでファールを打たせようと思って投じた球を内側から上手く(バットを)抜かれたんです。普通は左バッターが引っ張るとファールになって切れていく。しかし、前田は逆にスライスさせてライトの上段に放り込みました。僕にとって、一番印象に残っているホームランです。いつだったか、この話を前田にしたら、アイツは覚えていなかったんです(笑)。

 

 憧れたPL学園のユニホーム

 

二宮: 野村さんは広島県出身です。広島には広陵高や広島商など強豪校が揃っているのに、高校は大阪にあるPL学園に進みました。

野村: 小中学生は高校野球を見るじゃないですか。まずPL学園のユニホームがかっこよかった。あのユニホームに憧れました。とはいえ、PL学園に進むことはボーイズリーグの監督や父兄、親戚全員に反対されました。「行ってもユニホームなんて着られない」と。唯一、親父だけが「行きたいんだったら行ってこい」と背中を押してくれました。

 

二宮: PL学園で3年時に野村さんは、甲子園で史上4校目の春夏連覇を達成しました。野村さんの同級生はいいメンバーが集まっていましたね。

野村: 僕らの世代でプロ入りしたのは、橋本清、立浪和義、片岡篤史、僕の4人です。

 

二宮: 2学年上の桑田真澄さんは甲子園に5度出場して、優勝2回、準優勝2回、ベスト4・1回と輝かしい成績を収めていますが、野村さんの代もそれに引けを取らない強さでした。

野村: どう考えても桑田さんの代の方が強いと思います。桑田さんは「(野村世代と)3試合やったら(オマエらはピッチャーが3人いるから)負けるかな」と言ってくれたみたいですけど(笑)。

 

DSC08834二宮: それは興味深いエピソードですね。

野村: 入学したばかりの頃、“これは凄いチームに入ったな”と思いました。雨が降っている時に室内で練習するじゃないですか。室内だと筋トレする場所とピッチングする場所が近いので、桑田さんのピッチングを間近で見たんです。あの時に見た光景は今でも鮮明に覚えています。

 

二宮: どんな光景でしたか?

野村: 桑田さんの投球を見ていて、アウトローに構えるキャッチャーのミットが全く動かなかったんです。いや、それ以上に忘れられないのが、僕はそのミットが下を向いているように感じたことです。

 

二宮: ミットが下を向いているということは、ボールが伸び上がっていたと?

野村: そうです。ボールがミットの手前でギュンと上に伸びていくイメージです。あの時の衝撃は今でも鮮明に覚えています。

 

二宮: このチームでレギュラーを取るのは難しいなと思いませんでしたか?

野村: PL学園に行くと決めた時には橋本と立浪も来ると聞いていたので、中学3年から「スポーツセンター高田」というジムに行きました。そこに週に4回ぐらい通い、ひたすら体を鍛えました。

 

二宮: それは凄い。

野村: 当時、広島の2軍選手も同じ施設を使っていたんです。忘れもしないのが、そこで川口和久さんに偶然お会いしたこと。川口さんは「オイ、小僧。ジュース買ってやるから買ってこい」と言ってきて、僕はオレンジジュースをおごってもらったんです。

 

二宮: 川口さんは覚えていましたか?

野村: いいえ。実は2年前に川口さんにその話をしたんですよ。すると「何かそんなガキいたな」って(笑)。「それ僕ですよ!」と、笑いながら話しました。

 

 今でも忘れられない酒

 

二宮: ところで、野村さんが人生で一番美味しかったと感じたお酒は?

野村: この酒が旨かったというか、今でも忘れられないのは、引退した日に飲んだ1杯ですね。

 

二宮: へぇー。

野村: 引退したその夜、TBSのテレビ番組に出演したんです。佐々木主浩さんも一緒に出演して下さって、番組中に花束を受け取り、夜中の3時に帰宅しました。しかし、なかなか寝付けないんですよ。その日はお酒も飲んでいなかったので、缶ビールを1缶空けました。

 

二宮: いろいろと感慨に浸りながら飲んだんでしょうね。

野村: 家のリビングで1人、缶ビールをコップに注いでグイッと飲みました。美味いという表現が合うかどうか分かりませんが、あの時の味はいまだに忘れられません。ここまでやってきた達成感と、これからどうなるんだろうという不安、それに寂しさもありました。色々なことを思いながら飲んだ1杯でした。

 

二宮: 人生の節目の酒だったんでしょうね。気が付いたらグラスがそろそろ空いてきました。もう一杯いかがでしょうか?

野村: 飲みやすいのでグイグイいっちゃいますね。飲み比べをしたいので、次はロックでいただきます!

 

二宮: ロックの感想は?

野村: おぉ! ロックだと、そばの香りがより一層楽しめますね。それに、これはコクがあるなぁ……。何杯でもいけそうです。

 

(後編につづく)

 

DSC08856野村弘樹(のむら・ひろき)プロフィール>

1969年6月30日、広島県生まれ。PL学園ではチームのエース&4番打者として、史上4校目の甲子園春夏連覇を達成した。88年ドラフト3位で横浜大洋ホエールズに入団。プロ入り3年目に2ケタ勝利を達成すると、93年には17勝を挙げて最多勝に輝く。98年にはチームトップの13勝を挙げて、38年ぶりのリーグ優勝と日本一に大きく貢献。02年に現役を引退すると、横浜ベイスターズの投手コーチに就任した。現在は野球解説者として活躍する。

 

 今回、野村さんと楽しんだお酒は本格そば焼酎「雲海」。厳選されたそばと、宮崎最北・五ヶ瀬の豊かな自然が育んだ清冽な水で丁寧に造りあげた深い味わい、すっきりとした甘さと爽やかな香りが特徴の本格そば焼酎です。ソーダで割ることで華やかな甘い香りが際立ちます。


提供/雲海酒造株式会社

 

<対談協力>
折おり
東京都港区赤坂2−14−5 Daiwa赤坂ビル1F(地下鉄赤坂駅徒歩1分、地下鉄溜池山王駅徒歩5分)
TEL:03-6459-1888

 

営業時間:
16:30〜翌5:00
日・祝日定休

 

☆プレゼント☆

野村さんの直筆サインボールを本格そば焼酎「雲海」(900ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はこちらより、本文の最初に「野村弘樹さんのサイン希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選発表は発送をもってかえさせていただきます。締切は6月9日(木)までです。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。

 

◎クイズ◎

 今回、野村さんと楽しんだお酒の名前は?

 お酒は20歳になってから。

 お酒は楽しく適量を。

 飲酒運転は絶対にやめましょう。

 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。

(構成・写真/安部晴奈)


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