13日、リオデジャネイロパラリンピックの陸上男子400メートル(車いすT52)決勝が行われ、佐藤友祈(WORLD-AC)が58秒88で銀メダルを獲得した。上与那原寛和(SMBC日興証券)は6位だった。

 

 最初のコーナーを抜けてからぐんぐんと加速した佐藤は、最後のカーブに差し掛かったあたりで1位のレイモンド・マーティン(アメリカ)と2人で集団から抜け出した。

 

 このままマーティンを抜き去ることはできなかった。マーティンは58秒42でフィニッシュし、ロンドンに続く連覇を果たした。佐藤は0秒46差でゴールし、銀メダルを手に入れた。陸上個人種目で日本勢初のメダル獲得の快挙だ。

 

 しかし、15年世界選手権同種目で1位に輝いた経歴を持つ佐藤はゴール直後、「この4年間、最高の舞台で走ることを目標にやってきた。やはり、優勝して日本国歌を流したかったですが、僕の実力不足でコンマ何秒かマーティン選手に遅れをとってしまった」と悔しがった。

 

 ロンドンパラリンピックでマーティンの活躍を見て、車いす陸上を始めた佐藤。まだ競技歴は4年ほどだ。さらに経験を積んでレベルアップすれば、2020年東京の優勝候補に挙がることは間違いない。「4年後の東京で(マーティンに)リベンジをする。そこでは日本国旗を掲げ、喜びを爆発させたい」と佐藤。銀に満足せず、早くも4年後に照準を合わせていた。

 

(文/大木雄貴)