18日、日本サッカー協会(JFA)はJFAハウスで強化担当者会議を開き、FIFAブラジルW杯に臨む日本代表の「トレーニングパートナー」として高校生2名を選出することを発表した。対象は東京五輪が開催される2020年に23歳以下である選手。トレーニングパートナーは5月の国内合宿および米国合宿まで帯同し、ブラジルに入る前に、日本へ帰国する。
「ケガをしたり、具合が悪い選手の代わりにコーチが(実戦形式の練習に)出るよりも選手の方がいい」
 報道陣の取材に応じた原博実JFA専務理事兼技術委員長は、トレーニングパートナー採用の理由をこう説明した。

 前回の南アフリカW杯には「サポートメンバー」として香川真司(当時C大阪)、酒井高徳(当時新潟)、山村和也(当時流経大)、永井謙佑(当時福岡大)の4人を帯同させた。サポートメンバーは事前合宿から本大会終了まで代表と行動をともにした。
 しかし、ブラジルW杯では登録メンバーに与えられるADがないと公式練習場はおろか、チームバスにも同乗できない。帯同するための制限が厳しくなったため、トレーニングパートナーは米国合宿までの参加となったかたちだ。

 また、原専務理事は対象を高校生年代にした理由を「東京五輪で主力になるであろう選手たちにとって、何かしらの財産になる」と述べた。16年リオデジャネイロ五輪を目指すU−21、U−19代表は、W杯に伴うJリーグ中断期間に海外遠征を計画している。また原専務理事曰く「(リオ世代の)U−21の選手たちには、実力でA代表に入ってほしい」という思いもあって、トレーニングパートナーの対象にはしなかった。

「(帯同させる選手について)具体的にはこれから決める」
 原専務理事はこのように述べたが、昨年のU−17W杯に出場した1997年1月1日以降生まれの選手たちが有力候補と見られる。ケガや体調不良などで登録メンバーの入れ替えが必要になった時に、トレーニングパートナーから選ばれることはないという。しかし、選ばれた選手にとっては、W杯メンバーと共に行動できるだけでも貴重な経験になることは間違いない。代表の技術、雰囲気を体感し、そこから一気に“化ける”可能性もある。

 6年後の主役になり得る選手は誰なのか。W杯メンバー同様に注目が集まる。