オレンジに染まる夏、いつか江戸川の風物詩に 〜リーグワン〜
23日、ジャパンラグビー・リーグワンのクボタスピアーズ船橋・東京ベイ主催イベント「スピアーズ夏祭り 2025」が東京・スピアーズえどりくフィールド(えどりく)で行われた。昨年は「オレンジアーミーフェスティバル2024」と銘打ったイベント。昨年比約1.5倍の1500人を超える観客が集まった。
東京都の猛暑日が続いていた8月の第4土曜日。江戸川区清新町にある陸上競技場は、夏祭りの会場と化していた。スピアーズがネーミングを「オレンジアーミーフェスティバル」から「スピアーズ夏祭り」に変えたのは、その名称からコアファン向けのイメージを持たれるのを避けるためだ。いずれも入場は無料。気軽に入れる、参加できる、帰れるイベントだ。
開場時刻の15時前に足を運ぶと既に行列ができていた。“夏祭り”らしく縁日ブースには、「スーパーボールすくい」「射的」「玉入れ」「輪投げ」の4種目が並んでいた。試合日にも見かけるフードトラックに加え、かき氷ブースも。チームカラーのオレンジのかき氷が飛ぶように売れていた。「地域団体出展」として、365日体験型子ども食堂を運営する「NPO法人らいおんはーと」によるフルーツパンチ販売や、江戸川区内のSDGs推進のためのアプリ「eito」の紹介ブースも設置されていた。開場後は各出し物に行列ができていたが、それ以外にも人だかりが。近付いてみると、選手がファンサービスに応じていた。
16時からは場内の体験コーナーがオープン。正面玄関からアロハシャツを選手たちにピッチ内ではタックル、トライ、パスのラグビー体験できるエリアのほか、かけっこ教室、パラスポーツ体験、体力測定も行われていた。大人も子どもも走り回り、ピッチは笑顔で溢れていた。また場内には、記者会見やロッカールームを疑似体験できるファン垂涎のコーナーもった。ロッカールームを利用し、「プロップ満員電車」という屈強なFW陣に挟まれながら進むというマニアックコーナーも用意されていた。
18時を回ると、“夏祭り”からフェスへ。「ORANGE DANCE TIME」と称して、選手と一緒にピッチ内に集まった観客は踊った。選手とファンが一体となって参加するイベントは、ミニチームゲームとプレゼント抽選会と続き、最後はオフィシャルカメラマンによる全員で記念撮影。退場する観客を選手、スタッフが見送り、今年の“夏祭り”は閉演となった。
選手、スタッフが後片付けをする模様は、どこか手作り感があり、スピアーズらしい温かい雰囲気に包まれたものだった。取材を終え、私はえどりくから、最寄り駅の東京メトロ「西葛西」駅まで歩いた。地元民の散歩・ランニングコースとなっている緑道で、オレンジのジャージーを着たグループを何組か追い抜いた。聞こえてきたのは「“夏祭り”の感想」だ。自分が楽しんだコーナーの話を弾んだ声で語り合っていた。まるで中高生の部活動の帰り道を見るようだった。帰り道の“感想戦”もスポーツイベントの醍醐味なのかもしれないと感じた。
「ラグビーというコンテンツを通して、どういうことをできるかを示していくことが大事。我々としてはまちづくりにも関わっていきたい」と前川泰慶GM。江戸川区をホストエリアのひとつとするスピアーズにとって、不敗記録が続くえどりくで行われるシーズンオフのイベントはファンエンゲージメントを高める重要な場である。おらがまちのクラブとして、この“夏祭り”を地元の風物詩にすべきだろう。そのためには、この地で不敗記録以上に大切に守っていかなければいけないものなのかもしれない。
(文・写真/杉浦泰介)
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