4日、サッカー日本代表は5日のキリン杯コロンビア戦の前日練習を試合会場の埼玉スタジアムで行った。コロンビア戦でオシムジャパン初出場が予想されるMF稲本、DF中田浩らが約1時間、汗を流した。
(写真:ピッチ上で連係について話し合う選手たち。左から中村憲、高原、中村俊、稲本)
 コロンビア戦はアジア杯前の最後のテストマッチ。加えて、海外組4人を一挙に試せる絶好の機会だ。それだけに最終調整に余念がなかった。
 攻守に分かれて、ハーフコートで7対5(攻撃側が7人)、6対6の戦術練習を行い、攻撃側は攻守の切り替え、前線でのコンビネーションを、守備側はボールを奪ってからのビルドアップなどを再三、確認した。

(写真:入念に最終調整を行う中村俊)
 今回の最終調整を見る限り、4人の海外組が同時に先発する可能性は高そうだ。
 主力と見られる攻撃陣は高原と巻の2トップで、右の攻撃的MFに右足首痛から復帰した中村俊、左の攻撃的MFに遠藤。ダブルボランチは稲本と中村憲が組んだ。1日のモンテネグロ戦に先発したDF坪井が左足内転筋痛で離脱した守備陣は、左から中田浩、阿部、中澤、駒野が並んだ。短い時間ながら選手たちは集中してトレーニングをこなしていた。

オシムは説く「次につながるゲームを」

 今回対戦するコロンビアはFIFAランク23位で日本の46位を大きく上回る強豪。2大会連続でW杯出場を逃しているが、3日のモンテネグロ戦では終始試合を支配し、1−0で勝利を収めた。実際に試合を視察したオシム監督は「(コロンビアは)7〜8人が欧州や南米など国外のクラブでプレーしているだけあって、本当にクオリティが高いチーム」と高く評価。本番ではFWエディソン・ペレア(ボルドー)、DFイバン・コルドバ(インテル)など欧州でプレーする選手が日本の前に立ちはだかる。

(写真:ミーティングの様子)
 その強敵に対して、オシム監督は強い警戒心を抱いていた。緊張感漂う約1時間の練習の終了間際、選手とチームスタッフを突如集めた。ピッチ上での約5分間の緊急ミーティング。練習後の記者会見では「別に秘密にしているわけではないが、教える理由もない」と内容を明かさなかったが、高原によれば「コロンビアは強いが、自分たちの力を出せば、十分に通用すると。もちろん勝つつもりだが、次につながるような試合をすることが大事だと。戦術面よりは精神的な部分ですね」と試合に臨む上での心構えを説いたという。

 指揮官に呼応するかのように、選手たちも一様に危機感を強めた。「今まで対戦したチームとはレベルが違う。前線から激しくプレッシャーをかけてくるので、辛抱強く戦わなければいけない」(高原)、「誰かを抑えれば勝てるような相手ではない。全ての選手が危険だと思ってやる必要がある」(MF鈴木)。それぞれの選手のコメントからはこれまでにない緊張感が伝わってきた。

 オシム監督が選手に説いたとされる「次につながる試合」が今回のゲームのキーワードだ。高原は言う。「(地理的に他の国から)日本は遠いから、こんなにいい選手が来てくれることは滅多にない。このチャンスを生かさなければいけない」。南米の強豪から何を得ることができるか。アジア杯に向けた戦いは既に始まっている。

<コロンビア戦 予想スタメン>

GK 
川口能活
DF(右から) 
駒野友一
中澤佑二
阿部勇樹
中田浩二
MF
稲本潤一
中村憲剛
遠藤保仁
中村俊輔
FW
高原直泰
巻誠一郎
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