5日、関東大学ラグビー対抗戦グループAが各地で行われた。昨季全国大学選手権を制した帝京大学は、同準優勝の早稲田大学を36-21で下した。明治大学は慶應義塾大学に66-40、筑波大学は成蹊大学に73-7、立教大学は青山学院大学に28-10で勝利した。全勝は帝京大と明大。両校は19日に東京・秩父宮ラグビー場で直接対決する。

 

 117-5、80-0、83-0、73-0と、ここまで圧倒的な強さを見せてきた帝京大。同じく4戦全勝の早大と対戦した。

 

 先制は帝京大。前半5分、CTB大町佳生(2年)の飛ばしパスにCTB上田倭士(1年)がスピードに乗った状態でキャッチし、インゴール右に飛び込んだ。SO井上陽公(4年)がコンバージョンキックを決め、7点を先行した。

 

 帝京大はスクラムで圧倒し、相手から何度もペナルティーを誘った。それでもなかなか追加点を奪えなかったが、38分には右ラインアウトからLO尹礼温(4年)が飛び出し、インゴール中央にトライ。井上がコンバージョンキック成功で、14-0とリードを広げた。

 

 しかし、前半終了間際に早大主将のFB伊藤大祐(4年)にキックを使った突破を許し、大きくゲインされNo.8松沼寛治(1年)にトライを許した。4試合ぶりの失点を喫し、14-7でハーフタイムを迎えた。

 

 後半に入り、1トライ1ゴールを取り合った後の18分。帝京大主将のHO江良颯(4年)は敵陣でペナルティーを獲得すると、ショットを選択。「まずスコアするべきと考えました。全員の心に余裕を持たせるのが僕の役目」と迷いはなかったという。ここで井上が確実に3点を追加した。

 

 28分に1トライ1ゴールで3点差に迫られたものの、江良をはじめとした最上級生が存在感を発揮した。34分にはFL奥井章仁(4年)、終了間際にWTB高本とむ(4年)がトライをあげ、終わってみれば36-21で勝利した。

 

「厳しいゲームで勝ち切れたことが収穫。僕たちの課題、修正点も見つかった試合でした。対抗戦の終盤でこのようなゲームができたことは大きい」と江良。「ツメの甘さが出た」と反省すると、副主将の奥井も「何本か取り切れるところで取り切れなかった。それでも勝ち切れたことは自分たちにとってもプラス」と同様のことを口にした。

 

「厳しいゲーム」を制した次戦は2週間後、同じく5連勝中の明大と対戦する。

 

(文・写真/杉浦泰介)