スペイン、地元フランス破り32年ぶりの金 ~パリ五輪・サッカー男子~
パリ五輪大会17日目、サッカー男子決勝・U-23フランス代表対同スペイン代表の一戦が日本時間10日、パリで行なわれ、スペインがフランスに5対3で勝利した。試合は、前半11分、地元開催のフランスがMFエンゾ・ミヨの得点で先制。しかしその後、スペインはMFフェルミン・ロペスの2ゴールなどで前半のうちに逆転に成功。後半34分とアディショナルタイムにフランスが得点し、試合は延長戦へ。延長前半10分と延長後半アディショナルタイムにスペインのFWセルヒオ・カメージョが決めた。
スペインGKが5点目アシスト(パリ)
U-23フランス代表 3-5 U-23スペイン代表
【得点】
[フ] エンゾ・ミヨ(11分)、マヌ・アクリュシュ(79分)、ジャンフィリップ・マテタ(90+3分)
[ス] フェルミン・ロペス(18分、25分)、アレックス・バイナ(28分)、セルヒオ・カメージョ(100分、120+1分)
フランスが勝てば、40年ぶりの金メダル。スペインが勝てば32年ぶりの金メダルがかかっていた。試合は点の取り合いの派手な展開となった。
前半11分、ミヨが左足を振り抜くと、スペインのGK、アルナウ・テナスが体にあてたものの、ゴール右サイドネットにボールは吸い込まれ、フランスが先制に成功した。
しかし、スペインの波状攻撃が始まった。18分、U-23日本代表戦でも活躍したロペスが右からのグラウンダーのクロスに右足で合わせ、スコアをタイに戻した。25分にもロペスがゴール前のこぼれ球を押し込み、逆転した。さらにその3分後、左サイドからのFKをMFアレックス・バイナがゴール左に沈めて、スペインが2点リードし、試合を折り返した。
後半に入ると、今度はフランスが波状攻撃を披露。1点さえ返せば、まだゲームはどうなるかわからない。しかし、スペインDF陣も体を張ってゴールを守っていた。
しかし、フランスはセットプレーから活路を見出した。34分、ペナルティーエリア右サイドからのFK。左利きのミカエル・オリズは低く鋭く曲がるボールを供給した。これをMFマヌ・アクリュシュがニアで角度を変え、フランスが1点差に迫った。
さらに、後半アディショナルタイムにはPKのチャンスをFWジャンフィリップ・マテタが冷静にGKの逆をつきゴール左に決めて、試合を振り出しに戻した。
試合は90分で決着はつかず、延長戦へと突入した。延長前半10分、スペインのカメージョが右サイドのパス交換から抜け出し、右足でふわりとループを放つ。飛び出したGKをあざ笑うようなシュートで、フランスを振り切った。さらに、延長後半アディショナルタイムにもカメージョが味方GKのスローイングで一気に相手DFの裏を取り、今度は左足でループシュートを放ち、ゴールネットを揺らし、勝負を決定づけた。このままタイムアップの笛が鳴り、スペインが1992年バルセロナ五輪以来、32年ぶりに金メダルを獲得した。
(文/大木雄貴)