11月8日(日)、J2第48節となる愛媛FC対横浜FCの一戦が、ホーム(ニンジニアスタジアム)にて行われた。
 先月21日に行われた第46節にて、バルバリッチ監督就任後、初めての勝利を味わった愛媛FC。このまま上昇気流に乗りたかったところだが、その後の2戦は「攻めながらも勝ちきれない」というイライラする展開の引き分け試合が続いている。 
 現在(第47節終了時点)リーグ戦15位と下位に低迷している愛媛FC。今節は、更にその下位(16位)に甘んじている横浜FCをホームに迎えての一戦。順位逆転へのモチベーションを相手に与えないためにも、今日はきっちりと勝利を収めたいものだ。
(写真:相手ボールをチェイシングする選手たち)
 晴天に恵まれた今日のニンジニアスタジアム。今シーズン最後のナイトゲームだが、スタジアム内はほぼ無風状態で、それほど冷え込みもなく、過ごしやすい気候である。ピッチコンディションも概ね良好となった。
 
 スタジアムが夕闇に包まれる中、時計は午後7時を廻り、横浜FCのキックオフで試合がスタートした。
 立ち上がり、相手にボールを支配され、自陣に押し込まれるシーンが続く嫌な展開。それでもサイドチェンジや果敢なオーバーラップなどを駆使し、敵陣内サイドスペースへと攻め込み、反撃を試みる。

 前半15分、敵陣内・右サイドで繋いだボールをMF永井俊太選手がキープ。敵陣内の左サイドスペースへとオーバーラップを仕掛けるDF三上卓哉選手を確認し、その前面スペースへ向けてスルーパスを通す。ボールに追いついた三上選手が、敵ゴール前ファーサイドへとダイレクトにアーリークロスを供給。このボールを捉えたのは、ペナルティエリアに詰めていたFW田中俊也選手。来たボールを足元におさめつつ、トラップで敵DFをかわしながら、左足を豪快に振り抜きシュートを放った! が、ボールはクロスバーの上を越えていき、惜しくもゴールならず。場内からは溜め息がこぼれる。
 
 前半16分、自陣DFラインで繋いだボールをセンターサークル内に陣取る永井選手がキープ。敵陣内中央へ駆け上がる構えを見せるMF赤井秀一選手へとパスを送る。ボールを受けた赤井選手が、そのまま中央をドリブル突破。そこからペナルティアークに陣取る田中選手の足元へとラストパスを供給する。パスを受けた田中選手がペナルティエリアへとボールを持ち込み、シュート体勢に入るが、寸前で敵DFにクリアされ、これまた得点には至らなかった。それでも愛媛イレブンによる素晴らしい攻撃展開に対して、スタンドからは大きな歓声と拍手が送られていた。
 前半は、スコア0−0のまま終了。
 
 後半序盤、敵陣内サイドスペースを用いて積極的に攻撃を展開する愛媛イレブン。
 後半4分、自陣中央でボールを受けた赤井選手が、そのまま敵陣内へとドリブルで駆け上がる。途中、敵DFからタックルを受けるが、しっかりとボールをキープ。敵陣内の左サイドスペースへと開いているFWドド選手を確認し、その前面スペースへとスルーパスを通す。ボールに追いついたドド選手が、敵ゴール前ファーサイドへとセンタリングを供給。そこに走り込んで来たのは、DF関根永悟選手だ。このボールを捉え、ダイレクトにヘディングシュートを放つが、ゴールポスト外側に外れ、惜しくもゴールならず。
(写真:愛媛FCによる素早いサイド攻撃)

 幾度となく得点機は訪れるが、先取点を決めることができず、嫌なムードが流れ始める。さらには単純なパスミスなどによりボールキープが困難となり、自陣へと押し込まれる時間が長くなってくる。リズムを取り戻すため、必死にチェイシングへ向かう愛媛イレブンだったが、流れを変えることはできず、後半28分に、相手に先制を許してしまった。その後、アディショナルタイムには、駄目押しの追加点を決められ、ついにタイムアップ。
 結局、最終スコア0−2で、愛媛FCの惨敗となった。

 今節、前半の中程や後半の立ち上がりなど、こちらが流れを掴んでいる時間帯に先制ゴールを決めることができていれば、試合の結果は異なるものとなっていたかもしれない。だが、そのチャンスをことごとく逃してしまい、本当に残念なゲームであった。
 
 今シーズンもわずかに残り3試合。来季への期待と自信を培うための闘いとも言える3試合だ。選手たちには1試合、1試合の大切さを噛み締めながら戦ってほしいと感じている。

 
松本 晋司(まつもと しんじ)プロフィール
 1967年5月14日生まれ、愛媛県松山市出身。
 愛媛FCサポーターズクラブ「Laranja Torcida(ラランジャ・トルシーダ)」代表。2000年2月6日発足の初代愛媛FCサポーター組織創設メンバーであり、愛媛FCサポーターズクラブ「ARANCINO(アランチーノ)」元代表。愛媛FC協賛スポンサー企業役員。南宇和高校サッカー部や愛媛FCユースチームの全国区での活躍から石橋智之総監督の志に共感し、愛媛FCが、四国リーグに参戦していた時期より応援・支援活動を始める。
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