2連敗中の東京サンゴリアスとトヨタヴェルブリッツはドロー 〜リーグワン〜

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 4日、「NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25」のディビジョン1の第3節が各地で行われた。東京サントリーサンゴリアスはトヨタヴェルブリッツに味の素スタジアムで30-30のドロー。両軍今季初白星を逃した。そのほか2連勝中の静岡ブルーレヴズと埼玉パナソニックワイルドナイツが敵地で勝利し、開幕からの連勝を3に伸ばした。

 

 開幕2連敗と苦しいスタートを切った両軍の対決は勝ち点2を分け合うこととなった。両指揮官は「一言でまとめると悔しい」(サンゴリアスの小野晃征HC)、「求めている結果ではない」(ヴェルブリッツのスティーブ・ハンセンHC)と口にし、互いの10番は試合後、「3本PGを外してしまったので、僕自身、キックを修正しないといけない」(サンゴリアス髙本幹也)、「勝てるゲームを落としたし、それに繋がる僕のプレーもあった。すごく責任を感じている」(ヴェルブリッツ松田力也」と自らを責めた。

 

 先制したのはホストチームのサンゴリアスだ。FB河瀬諒介が敵陣右サイドをゲインすると、中央でパスを受けたWTB尾﨑晟也がスルスルと抜け出してインゴール中央に飛び込んだ。髙本のコンバージョンキックが決まり、7点をリードした。しかし、15分にWTBチェスリン・コルビが相手のパスを叩き落としてしまい、デリバレイト・ノックオンでイエローカード。数的不利を余儀なくされた。

 

 ここで得たPGを松田が確実に決め、3点を返したヴェルブリッツ。23分、SHアーロン・スミス、松田、No.8姫野和樹と繋ぎ、最後はHO彦坂圭克が突破を試みる。髙本と尾﨑の間を突いて、そのままインゴール左隅にトライ。ヴェルブリッツが8-7と逆転に成功した。

 

 その3分後、サンゴリアスが1人少ない中、試合をひっくり返す。敵陣深くでSH流大のパスを受けた髙本が外に展開すると見せて内側に切り込む。外側のディフェンスを翻弄し、対峙したスミスもステップでかわしてインゴール中央にボールを運んだ。コンバージョンキックを自ら決め、14-8で前半を終えた。

 

 ハーフタイムを迎えた後もシーソーゲームは続く。後半5分、スミスが敵陣深くで姫野にボールを預ける。姫野がバックフリップパスでリターン。スミスは2人を抜いてインゴール中央に飛び込んだ。松田がコンバージョンキックを決め、再びヴェルブリッツが逆転した。

 

 8分にサンゴリアスがPGで再び勝ち越せば、11分にはヴェルブリッツがCTBニコラス・マクカランのトライと松田のゴールで5点をリード。勝ち越された直後、サンゴリアスが尾﨑のこの日2本目のトライと髙本のゴールで2点をリードした。

 

 髙本は18分にPGを外したものの、21分と25分には決め、サンゴリアスがリードを広げる。松田も27分にPGを決め、5点差に詰めた。33分に1トライ1ゴール差以上に差を広げようと、髙本がPGを決められず、均衡状態は続く。

 

 すると37分、途中出場のCTBウィリアム・トゥポウからオフロードパスで、こちらも途中出場のマッド・マッガーンがトライ。30-30の同点に追いついた。しかし、勝ち越しを狙った松田のコンバージョンキックが外れ、同点のまま大型ビジョンの時計は80分を過ぎた。両軍はホーンが鳴った後も今季初勝利を目指し、アタックを続けた。ヴェルブリッツのFBティアーン・ファルコンがPGを外した後もサンゴリアスはプレーを継続したものの、最後はノックオンでノーサイドとなった。

 

 互いにとって、“勝てる試合”という認識で悔しい結果となったわけだが両キャプテンは前を見ている。

「お互い連敗していてうまくいかないチーム同士だったので、どちらが勝ちたい欲を出すかというところでゲームに挑み、本当にプライドの戦いになりました。勝ち切れた試合を勝ち切れなかった点はすごく反省するべき部分です。具体的にどこが反省点なのかはビデオを見ないと分からないですが、次の試合に向けていい準備をしていかなければと思います」(サンゴリアス堀越康介)

 

「結果に関してはもちろんハッピーではありませんが、ゲームの内容を振り返ると自分たちが準備してきたラグビーは随所に見られた部分もあったと思います。手応えを感じていますし、チームとしてすごくマッチングしてきているとも感じます。このままの調子で次の試合に準備をしていきたいです。下を向いている暇はないので、この1週間を大事にしていきたいと思います」(ヴェルブリッツ姫野)

 

(文・写真/杉浦泰介)

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