クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、“えどりく不敗”継続 ~リーグワン~
18日、「NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25」のディビジョン1の第5節が東京・スピアーズえどりくフィールドで行われ、クボタスピアーズ船橋・東京ベイがリコーブラックラムズ東京を26-18で破った。ホストスタジアム“えどりく”での連勝記録を19に伸ばした。

(写真:共に戦ったオレンジアーミーに挨拶をする選手たち)
2019年6月から続く“えどりく不敗記録”は止まらない――。試合前の時点で2勝1敗1分けのスピアーズと1勝3敗のブラックラムズ。リーグワンがスタートして以降、両チームは好勝負を繰り広げてきた。22-23シーズンはえどりくで40-38、23-24シーズンはブラックラムズの本拠地(東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で18-17。いずれもスピアーズが勝利したが、ノーサイドの瞬間まで勝敗の行方がわからぬ熱戦だった。好勝負を期待して前売りチケットは完売。スタジアムには4484人が集まった。

(写真:プロキャリアでは初の「10」を背負ってプレーしたペレナラ)
先制したのは本職SHのTJ・ペレナラをSOで起用したブラックラムズ。タンバイ・マットソンHCによれば「ケガ人が出たことと、バックスリー(WTB、FB)を動かしたくなかった。TJはワールドクラスのコンペティターであり、ゲームドライバー。簡単な決断だった」という。12分、敵陣に侵入するとフェーズを重ね、SH髙橋敏也からCTB池田悠希、WTBロトアヘアアマナキ大洋と繋ぎ、最後はペレナラがトライエリア(インゴール)に飛び込んだ。FB伊藤耕太郎がコンバージョンキックを決めてブラックラムズが7点を先取した。

(写真:今季初トライを挙げ、勝利に貢献したファンデンヒーファー)
スピアーズも2本のPGをSOバーナード・フォーリーが決め、6-7と追撃したが29分にブラックラムズのアマナキ大洋のトライで突き放される。32分、ラインアウトモールでトライエリアに迫る。CTB廣瀬雄也が左サイドへキックパス。これをキャッチしたWTBゲラード・ファンデンヒーファーが伊藤のタックルをかわし、トライエリア左隅にグラウンディング。再び1点差とした。

(写真:タッチライン際で交代の準備をするスピアーズの6選手)
終了間際にPGを決められ、11-15で前半を終えたスピアーズ。流れを変えるべくフラン・ルディケHCは後半11分、一気に6枚替えだ。「元々、プランとしてはあった。ブラックラムズがいいスタートを切っており、我々がストロングフィニッシュをするためにインパクトプレーヤーを同時に出した」。PR紙森陽太、オペティ・ヘル、HOスカルク・エラスマスのフロントロー総とっかえに加え、LOタイラー・ポール、SH藤原忍、そして新加入のFBショーン・スティーブンソンをピッチに送り込んだ。

(写真:交代直後のドライビングモールでマキシのトライが生まれた)
すると2分後、フレッシュな4名を加えたFWパックが威力を発揮。ラインアウトモールから前進し、最後はNo.8ファウルア・マキシがトライを挙げて、16-15と逆転に成功した。18分には藤原から、廣瀬、そしてCTBリカス・プレトリアスとパス。プレトリアスが右サイドを突破し、トライエリア右に飛び込んだ。スティーブンソンの突破、藤原のパス出しがトライに繋がった。フォリーがコンバージョンキックを決め、23-15と8点リード。その後は両軍がPGを成功し、26-18で試合を終えた。

(写真:攻守に渡る活躍でこの試合のPOMに選出されたマキシ<中央>)
これで、スピアーズはえどりく19連勝だ。キャプテンのマキシは「久々のえどりくでの試合で、とてもうれしく思います。たくさんのオレンジアーミーのサポートが、自分たちの力になりました」と振り返った。ルディケHCも「オレンジアーミーの応援などのおかげで地に足がついたラグビーができています。あとは会社だったり、ファンの方々に誇りを持ってもらえるような試合がしたいというモチベーションが強いこともあると思う」と、えどりくで強さを発揮する理由を述べた。
「選手たちが言うのはホーム感の強いスタジアム。落ち着いてプレーできるようです」とは前川泰慶GM。昨季は1試合しか組まれなかったが、今季はあと5試合予定されている。スピアーズにとって、王座奪還へのブーストとなるか――。
(文・写真/杉浦泰介)